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農医連携教育研究センター 研究ブランディング事業

25号

情報:農と環境と医療25号

2007/4/1
平成19年度から農医連携に関わる教育が開始される
博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@が2年前から発信し続けてきた「農医連携」なる言葉が、世間に広く定着しつつある。それは、社会が「農と環境と健康」の連携に多大な関心を抱いていることはもとより、博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@学長室通信「農と環境と医療」が毎月発刊され広く社会に浸透しはじめたこと、博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムが既に3回開催されたこと、さらにその成果を「現代社会における食?環境?健康(2006)」および「代替医療と代替農業の連携を求めて(2007)」と題した冊子で、養賢堂から出版してきたことにもよるであろう。

北里柴三郎は、学術を発展させるために門下生らと研鑽を積み、コミュニケーションを深めるため月1回の集会を開いたという。また、北里は参加できない同窓生たちからその記録の刊行を熱望されたという。さらに北里は情報発信の大切さを説き、これらを実行したという。博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@は北里のこれらの思いを今に引き継ぎ、これまで上述した農医連携に関わる通信、シンポジウムおよび本の発刊に心がけてきた。

「農医連携」に関わる課題は、いま始まったばかりである。重要な課題に教育があることを忘れてはいない。博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@では一年間この課題を検討し、次のような新たな教育を開始する。

平成19年4月から迎える新入生に「農医連携」に関わる講義を開始する。医学部の1年生を対象に行われる医学原論の一部、さらに新しい獣医学部の1年生を対象に行われる獣医学入門I、動物資源科学概論Iおよび生物環境科学概論の中の一部で行われる農医連携論は、概ね以下のような内容を含んでいる。

  • 農と医はかつて同根であって、類似した歴史を歩いてきた。さらに現在でも環境を包括しながら類似した道を歩いている。その類似性を歴史的に追い、食と環境と健康とが切り離せない関係にあることを学習する。
  • 人類の活動は、ウイルスであれ小動物であれ雑草であれ、インベーダーとして地球の生命体をさまざまな様態で撹乱し、環境と人間に悪影響を及ぼしている。鳥インフルエンザを例にして、これと環境と医療が連携していることの現実を学習する。
  • 人類の活動は、これまで大量の銅、亜鉛、鉛、水銀などの重金属を地殻から採取し、これらを地球表面に拡散させてきた。その結果、生態系はもとより農作物はこれらの重金属に汚染 され、これを食する人間の健康を害してきた。農と環境と健康のかかわりを、重金属による水俣病やイタイイタイ病を例に学習する。
  • わが国の主な公害の歴史(渡良瀬川足尾銅山鉱毒被害、別子銅山亜硫酸ガス被害、神岡鉱山亜硫酸ガス?鉱毒被害、神通川流域イタイイタイ病被害、熊本?新潟県有機水銀中毒など) を学習し、公害の歴史が農業生産と環境保全と医療?健康と深く関わっていることを知る。

この他「農医連携」に関わる課題として、広く健康に関わる保健?健康科学や、地球環境変動と農?健康のかかわり、人間と動物のセラピーなど様々な研究プロジェクトの創設が残されている。これらの課題は、今後農医連携委員会などで検討し対応していく予定である。
第3回農医連携シンポジウムの映像音声と資料画像
平成19年3月9日に開催された第3回農医連携シンポジウムの映像音声と資料画像は、本学のホームページの「農医連携」(/jp/noui/spread/symposium/)で見ることができます。
第3回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの内容:(1)開催にあたって
平成19年3月9日に開催された第3回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの開催趣旨、講演プログラム、挨拶を紹介する。

開催趣旨

人類の活動はウイルスであれ雑草であれ、地球の生命体をさまざまな様態で撹乱している。これらは、小さなインベーダーとして生態系を錯乱させる。

2001年9月にわが国において牛海綿状脳症(BSE)が発生した。牛の脳組織に空胞ができ、中枢神経が障害を受ける病気である。BSEに感染した牛のうち、とくに危険部位といわれる脳?神経組織および回腸遠位部など内臓類を食することにより、極めて稀だが人間に感染し、痴呆化し死亡するといわれる。これも、小さなインベーダーによるものだ。

いま、新たな心配事が生じている。ここ数年、アジアで流行していた鳥インフルエンザが、昨年の秋に欧州およびアフリカでも確認された。感染が繰り返されることで病原体のウイルスが変異し、人間社会で爆発的な流行を引き起こす新型インフルエンザ出現の可能性が高まっている。また、インベーダーの撹乱だ。

世界保健機関(WHO)をはじめ多くの国が、流行に備え体制を整えつつある。日本も例外ではない。厚生労働省は2005年の11月14日、近い将来に出現する危険性が高まっている「新型インフルエンザ」が国内で流行した場合、非常事態を宣言することなどを定めた行動計画を公表した。

生態系は、大きな生命の交響楽団である。無数の生き物が様々な環境のなかで作りあげている生態系のもつ秩序は、目をこらしてみても見えない無数の環境資源と生物の相互が依存しているネットワークと言える。生態系に生きる生物とこのネットワークそのものは、調和が崩れても、自動的に調和がとりもどされるように仕組まれている。だから、自然世界の調和は、永遠に終わることのないハーモニーを奏で続けることができるのである。

はたしてその永遠とは、期限付きの永遠なのか? 鳥インフルエンザの問題は、われわれに悲壮な現実を突きつけている。

過去におけるBSEの問題、今回の鳥インフルエンザの問題、そして将来も起こるであろうこれらの「小さなインベーダー」の問題について、真剣に取り組まなければ、人類の未来は暗い。これらの問題は、常に農と環境と医療に密接に関わっている。これらの関連を切り離しての問題解決はない。

したがって、今回は農と環境と医療に関わる専門家に参加していただき、第3回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウム「鳥インフルエンザ:農と環境と医療の視点から」を開催し、この問題の解決の一助としたい。
講演プログラム

10:00~10:10開催にあたって博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@学長
柴 忠義
10:10~10:40農と環境と医療の視点から鳥インフルエンザ
を追う
博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@教授
陽 捷行?高井 伸二
10:40~11:20動物由来ウイルス感染症の現状と問題点東京大学教授
吉川 泰弘
11:20~12:00高病原性鳥インフルエンザの感染と対策動物衛生研究所研究管理監
山口 成夫
13:00~13:40野鳥の渡りや生態と感染の発生日本野鳥の会 自然保護室
金井 裕
13:40~14:20野鳥の感染とその現状自然環境研究センター研究主幹
米田 久美子
14:40~15:20新型インフルエンザの脅威国立感染症研究所感染症情報センター長
岡部 信彦
15:20~16:00高病原性鳥インフルエンザとワクチン対策博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@附属北里生命科学研究所副所長
中山 哲夫
16:00~17:20総合討論吉川 泰弘?陽 捷行

開催にあたって
博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@学長 柴 忠義

第3回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの開催にあたり、主催者を代表して一言ご挨拶申し上げます。

日本学術会議は、2006年の20期から従来の7部制を改変して3部制をとりました。これまでの領域は、文学、法学、経済学、理学、工学、農学、医学の7部制に分かれていましたが、新しい部制では、「人文科学」、「生命科学」、「理学および工学」の3領域にまとめられました。

また従来の日本学術会議は、数多くある学会の組織を基盤とし、各学会関係の研究連絡委員会と学術会議の活動とで支えられてきました。領域が改変された後では、これまでのような学会別の活動が希薄になり、それぞれの専門分野の横断的な課題別活動が中心になってきました。

このことは、従来の学会活動、科学研究費の配分、各分野の研究動向に少なからぬ影響が及ぶことを意味しています。例えば、20期からの学術会議は、課題中心に委員会を組織し、社会のための学術を全面に出しています。

日本学術会議は、この国の学術の基盤であります。いずれの大学も研究所も、日本学術会議の方向を注意深く見つめながら、わが国の今後の教育や研究を志向しなければならないと思います。学術会議の活動方針には、わが国の科学がこれまで経験した来た様々な事象への反省や、新たな科学の展開への想いが含まれていることでしょう。20期の取組みの成果が大いに期待されるところです。

話が変わります。人類の活動はウイルスに対してであれ雑草に対してであれ、地球の生命体をさまざまな様態で撹乱しています。小さなインベーダーによる生態系の破壊が生じつつあります。

2001年9月に、わが国において牛海綿状脳症(BSE)が発生しました。牛の脳組織に空胞ができ、中枢神経が障害を受ける病気です。BSEに感染した牛のうち、とくに危険部位といわれる脳?神経組織および回腸遠位部など内臓類を食することにより、極めて稀ですが人間に感染し、痴呆化し死亡するといわれています。これも、小さなインベーダーによるものです。

いま、新たな心配事が生じています。ここ数年、アジアで流行していた鳥インフルエンザが、欧州でも確認されています。今年になっても、宮崎県や岡山県でN5H1型の高病原性鳥インフルエンザが発生しています。感染が繰り返されることで病原体のウイルスが変異し、人間社会で爆発的な流行を引き起こす新型インフルエンザ発現の可能性が高まっています。これもまた、インベーダーの撹乱です。

世界保健機関(WHO)をはじめ多くの国が、大流行に備え臨戦態勢に入りました。日本も例外ではありません。厚生労働省は2005年の11月14日、近い将来に出現する危険性が高まっている「新型インフルエンザ」が国内で流行した場合、厚生労働省が非常事態を宣言することなどを定めた行動計画を公表しています。

農は環境を通した人の営みです。生態系を無視した人の営みはあり得ません。その生態系は、大きな生命の交響楽団といえます。無数の生き物が様々な環境のなかで作りあげている生態系のもつ秩序は、目をこらしてみても見えない無数の環境資源と生物の相互作用によるネットワークとも言えます。生態系に生きる生物とこのネットワークそのものは、調和が崩れても、自動的に調和が取り戻されるように仕組まれています。だから、自然世界の調和は、永遠に終わることのないハーモニーを奏で続けることができるのです。

過去におけるBSEの問題、今回の鳥インフルエンザの問題、そして将来も起こるであろうこれらの「小さなインベーダー」の問題について、真剣に取り組まなければ、人類の未来は暗いものになります。これらの問題は、常に農と環境と医療に密接に関わっています。この関連を切り離して「小さなインベーダー」問題の解決はあり得ません。

日本学術会議の新しい「生命科学」の領域は、この「小さなインベーダー」問題の解決にも不可欠な考え方だと思います。また、わが博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@が新たに鮮明にした教育?研究目標、「農と環境と医療の連携」そのものでもあります。この領域は、知と知の分離を克服することの重要性が強調される場でもあるわけです。

今回は、農と環境と医療に関わる専門家に参加していただき、第3回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウム「鳥インフルエンザ:農と環境と医療の視点から」を開催し、この問題の解決の一助としたいと考えております。

このシンポジウムにおいて、有意義で実践的な議論が展開され、農と環境と医療の連携に対し、新たな発想や示唆が生まれることを期待しております。開催にあたり、講演を快くお引き受けいただいた諸先生方に心から感謝申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。
第3回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの内容:(2)農と環境と医療の視点から鳥インフルエンザを追う
平成19年3月9日に開催された第3回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムのうち、演題「農と環境と医療の視点から鳥インフルエンザを追う」を紹介する。残りの演題と総合討論については、次号以降に順次紹介する。

農と環境と医療の視点から鳥インフルエンザを追う
 
博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@:陽 捷行?高井伸二

小さなインベーダー

Life Out of Bounds (1998)という題名の冊子がある。この書は、著者のクリス?ブライトが環境問題の記者や雑誌編集を経験した後、ワールドウォッチ研究所の「ワールドウォッチ」主任編集者として活躍中に執筆されたものである。日本では「生態系を破壊する小さなインベーダー」と題され、1999年に「家の光協会」から出版されている。

著者のブライトは、冒頭の謝辞で次のように書いている。「人間の活動がウイルスであれ雑草であれ、地球の生命体をどのように"撹乱"しているか、生物種の混合が人間社会と自然界になぜ害を及ぼすことになるのか、という問題だ。一般の人々に私たちと一緒にこの問題を考えてもらいたいと思った。本書はその延長線上にある。」

また、ワールドウォッチ研究所の所長であったレスター?ブラウンは、この書の日本語での出版に寄せて、次のことを指摘している。

「みなさんがこれから読もうとしている本は、この生命体の移動と、それがもたらす生態学的な被害について明確な確認をしていただくために書かれたものである。その被害は、外来種が異常繁殖する生物進入という形でもたらされる。外来種とは、原産地以外の生態系、つまり自身が進化を遂げてきた生態系とは別の生態系に入り込んだ生物のことである。外来種が新しい場所で定着すると、個体数の急増が起こりうる。その過程で、生存に欠かせない資源をめぐる争いで在来種を圧倒し、その繁殖を妨げる可能性がある。それが微生物であれば、伝染病のきっかけになりうるし、捕食動物であれば、在来種を捕食し、駆逐してしまうかもしれない。」 「世界の生態系を保全する必要性と貿易活動のバランスをどう保つか。これが、本書が提示する基本的な問いかけである。経済の健全さは、明らかに高度な国際貿易に依存している。しかし、生態系の健全さが、この惑星の生物の大半を、自然に発生した場所にとどめておけるかどうかにかかっていることも確かである。この二つの必要性のバランスを取ることは、新しい世紀の環境分野の大きな課題の一つになると思われる。」

2001年9月にわが国において牛海綿状脳症(BSE)が発生した。牛の脳組織に空胞ができ、中枢神経が障害を受ける病気である。BSEに感染した牛の、とくに危険部位といわれる脳?神経組織および回腸遠位部など内臓類を食べると、きわめて稀であるが、人間に感染し、痴呆化し死亡するといわれる。「インベーダー」の仕業である。

近年、世界が過去に何度か経験した不気味で新たな心配事が生じている。ここ数年、アジアで流行していた鳥インフルエンザウイルス(Avian influenza virus: AIV)が、欧州でも確認されている。今年になっても新たに韓国の忠清南道や、わが国の宮崎県?岡山県でH5N1型の高病原性AIVが発生している。韓国では2003年12月から2004年3月にかけ、養鶏場などで19件のH5N1型の大量感染が発生し、合計530万羽の鶏やアヒルが死んだり処分されたりした。当時、鶏などの処分に従事した作業員4人がウイルスに感染している。

このような感染が繰り返されることで病原体のウイルスが変異し、人間社会で爆発的な流行を引き起こす新型インフルエンザ発現の可能性が高まっている。これもまた、「インベーダー」の撹乱である。

世界保健機関(WHO)をはじめ多くの国が、流行に備え体制を整えつつある。日本も例外ではない。厚生労働省は2005年の11月、近い将来に出現する危険性が高まっている「新型インフルエンザ」が国内で流行した場合、厚生労働省が非常事態を宣言することなどを定めた行動計画を公表している。この行動計画は、WHOが各国に示したチェックリストを基に作成されている。平常時から大流行までを1~6段階に、各段階を国外発生(A)と国内発生(B)に分けて対策を示している。

農業は環境を通した人の営みである。環境や生態系を無視した人の営みはあり得ない。その生態系は、大きな生命の交響楽団と捉えることができる。AIVやBSEの問題は、無数の生き物が様々な環境のなかで作りあげている生態系のもつ秩序やネットワークを人間が崩していると見ることもできる。

過去におけるBSEなどの問題、今回のAIVの問題、そして現代および未来社会が招き入れるであろうこれらの新興?再興感染症の問題については、環境や生態系の在り方とともに真剣に取り組むことが必要であろう。これらの問題は、常に農業と環境と医療に密接に関わっているのである。いつの時代でも、三者の関連を切り離して問題の解決はあり得ない。

最近の鳥インフルエンザの拡大

毒性の強いAIV-H5N1型が、2004年から世界的に流行する恐れが強まってきた。それまでは、アジアで止まっていた鳥への感染地域が欧州やアフリカに拡大し始めた。国際的な感染対策の重要性が叫ばれるなか、アジア地域での対策は完璧ではなく、昨年の末から今年のはじめにかけて、再び韓国とわが国での感染が見つかっている。

毒性の強いAIV-H5N1型は、アジア以外ではアゼルバイジャン、ジブチ、エジプト、イラク、イラン、ギリシャ、トルコ、ルーマニア、クウェート、ロシア、モンゴル、カザフスタン、チベット、クロアチア、イタリア、マケドニア、カナダ、スウェーデン、英国、北米で見つかっている。アヒル、七面鳥、カモ、ハクチョウ、オウム、鶏、フラミンゴ、ハヤブサなど、様々な鳥類がインフルエンザウイルスに感染している。

AIV-H5N1型がヒトへも感染した国は、アゼルバイジャン、カンボジア、中国、ジブチ、エジプト、インドネシア、イラク、タイ、トルコ、およびベトナムの10カ国に及ぶ。

2003年12月から2007年2月6日までの発症者と(死亡者)は、ベトナム:93(42)、インドネシア:81(63)、タイ:25(17)、中国:22(14)、エジプト:19(12)、トルコ:12(4)、アゼルバイジャン:8(5)、カンボジア:6(6)、イラク:3(2)、ナイジェリア:1(1)、ジブチ:1(0)人である。合計すると、感染者が272人で死者が166人に上っている。ここに挙げた数字は報告?確認された数字で、実際の感染者や死亡者はさらに多いことが予想される。(国立感染症研究所、感染症情報センターから)

鳥インフルエンザの流行

インフルエンザは、スペインかぜをはじめ過去に何度も世界的大流行(パンデミック)を起こし、多数の死者を出してきた。インフルエンザ流行の小史を簡単に追えば次のようである。 

 1889~90:流行から「インフルエンザ菌」を分離。本当の病原体ではなかった。H2N2型。 

 1918~19: スペインかぜ。5億人。人口の1%死亡。H1N1型。わが国で2300万人感染、39万人死亡。これ以上の推定もある。 

 1933:A型ウイルス分離。B型は1940年に、C型は1947年に分離。 

 1943:米国において発育鶏卵でA、B型ワクチン作成。 

 1946:イタリアかぜ。H1N1亜型。欧州で流行。 

 1948:ロンドン(WHO)にインフルエンザセンター設立。 

 1951:わが国でワクチン試作。1962年から大量生産。 

 1957~58:アジアかぜ大流行。H2N2亜型。わが国で98万人感染、7000人死亡。 

 1968: 香港かぜ流行。H1N1亜型。わが国で14万人感染、2000人死亡。 

 1977:ソ連かぜ流行。H1N1亜型。 

 1997:香港の家畜にH5N1型流行。感染者に高い致死率。 

 2003~04:アジア各国の鳥にH5N1型大流行。タイ、ベトナムで死亡。 

 2005~現在:中国青海湖の野鳥の間でH5N1型大流行。その後ヨーロッパ、アフリカに伝播。

(イリューム、Vol.18, No.2, 2006を一部修正)

鳥インフルエンザの感染者数

1997年、世界的大流行を予感させる事件が起きた。当時、香港ではニワトリなどの家禽の間でインフルエンザが流行していた。その原因であるAIVに18人が感染し、死者が6人でた。この事件が衝撃的だったのは、ヒトには感染しないと信じられていたAIVが、家禽から直接ヒトに感染したこと、そのうえ、そのウイルスが高病原性(A型H5N1亜型)だったことである。

これ以後、毎年のようにAIVのヒトへの感染が報告されている。感染者数と死亡者数は次の通りである。2003年以降の死亡者数は、幾何級数的な伸びを示している。

1997:H5N1。中国(香港):感染者18(死亡者6)、1998: H9N2。中国:9、1999: H9N2。中国(香港):2、2003: H7N7。オランダ:89(1)、2003:H9N2。中国:1、2004: H7N3。カナダ:2、2004: H10N7。エジプト:2。 2003~07: H5N1。2007年2月6日現在、10か国:272(166)。国別死亡数は上述した。

ウイルスの起原は水禽類

これまで90種類以上の野鳥からAIVが分離されているところから、ほとんどの鳥類がウイルス感染に感受性があると考えて差し支えないだろう。1970年代に入って、世界各地の水生鳥類、とくにカモ、ガチョウ、ハクチョウ、シギ、チドリ、カモメ、アジサシなどの健康な渡り鳥から、AIVが高い確率で検出された。なかでもカモからのAIV検出率が高いことから、現在では野生の水禽類が生態系におけるウイルスの自然宿主と考えられている。

AIVの検出確率が特に高い水禽は、渡りを前にした晩夏のマガモの若鳥や、初冬に池や川でいるカモ類である。わが国には、シベリアや中国地方から毎年多くの水禽類が飛来してくる。その3%からAIVが検出されたという報告がある。シギ、チドリからもウイルスが検出されている。

結局、1970年代に入りAIVとヒトインフルエンザウイルスを同時にブタに感染させ、ハイブリッドウイルスができることが証明された。さらに、AIVがカモやハクチョウなどの水禽類に由来することが発見され、1980~1990年代に各種インフルエンザウイルスの遺伝子が解析されたことにより、「ウイルスの自然の宿主は野生の水禽類で、そのウイルスが変化しながら、さまざまな動物に広がった」ことが証明されたのである。

人間の介在

自然界への人間の介入は、これまで生態系にいくつもの大きな変動をもたらした。生態系がこの変動を容易に復元できる範囲であるとき、その介入は許された。われわれはどうやらその範囲を超えてしまったようだ。

これまで自然界において、AIVは水禽類やシギやチドリの間で保存されてきた。しかし、われわれが良しとして創出した国際商取引、新たな文化、養鶏の産業化などによって、ウイルスの生態系、分布域、宿主範囲および病原性などが大きく変化した。ペット野鳥の国際流通、水禽類農場、屋外飼育農場、生鳥の流通販売、愛玩鶏?闘鶏の流通、養鶏場の大規模化などが、その例だ。

屋外の農場で飼育されているアヒルやガチョウからは、鶏よりも高率にAIVが検出される。水禽類の飼育に必要な池は、屋外にあることが多いため、野鳥や渡りの水禽類が飛来して農場が汚染されることになる。

先進国にある集約化された養鶏システムでは、AIVが検出されることは稀だと考えられていたが、今では必ずしもそうでなくなった。このシステムにウイルスが一旦侵入すれば、短期間に系列農場へ汚染が拡散され、被害は甚大になる。このことが現在大きな問題としてクローズアップされているのである。

新型インフルエンザ対策強毒型のH5N1型新型インフルエンザが出現しないような対策は。仮に出現したらどのような対策をしたらいいのか。あるいは、新型インフルエンザにどう備えるべきか。ワクチン株の選定や抗インフルエンザ?ウイルス薬の製造は。

WHOの警報フェーズはすでに「3」であり、「4」の段階への検討もされている現在、農業と環境と医療の立場からどのような方策が考えられるか。これらの課題についてそれぞれの専門分野の識者に語っていただき、農と環境と医療が連携した有意義なシンポジウムに仕立て上げたい。

この他にも、医療を超えた国家危機管理の問題、危機管理と個人主義の問題、メディアの役割、リスク評価とリスク?コミニュケーションの問題、家庭での備蓄など、数多くの問題が残されている。これらの問題についても、シンポジウムで検討できればいいと考えている。

おわりに

新型のインフルエンザが出現しないことを、心から願うものである。そのためには、われわれはもう一度フランシス?ベーコンやレイチェル?カーソンの言葉に立ち戻り、技術や自然の在り方を再認識し、内省しなければならない。

生態系は、大きな生命の交響楽団である。無数の生き物が様々な環境のなかで作りあげている生態系のもつ秩序(むしろ調和というのが正しい)は、目をこらしてみても見えない無数の環境資源と生物の相互が依存しているネットワークと言える。生態系に生きる生物とこのネットワークそのものは、調和が崩れても、自動的に調和がとりもどされるように仕組まれている。だから、自然世界の調和は、永遠に終わることのないハーモニーを奏で続けることができるのだ。その永遠とは、期限付きの永遠なのか?

それぞれの生命体は、種の保存というベクトルを持ち進化している以上、共存と共栄の戦いに終わりはない。AIVの問題は、この戦いの延長線上にある。ならば、われわれは人類の叡智をもって常に予防と発生時の備えを整えておかなければならない。この問題に早急に対応することが、われわれの未来を明るくするひとつの手段であろう。
Agromedicine を訪ねる(10):Journal of Agromedicine
以下のことは、「情報:農と環境と医療 10号」ですでに書いた。「農医連携」という言葉は、生命科学全般を思考する博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@で新しく使用しはじめたものだ。それに相当する英語に、例えばAgromedicine がある。1988年に設立された The North American Agromedicine Consortium (NAAC) は、Journal of Agromedecine という雑誌と博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@レターを刊行している。この雑誌の話題には、農業者の保健と安全性、人獣共通伝染病と緊急病気、食料の安全性、衛生教育、公衆衛生などが含まれる。今回は先回に続いて、Journal of Agromedicine の第11巻3/4号の目次を紹介する。

第11巻3/4号(2006)
  • Double Issue Delves into Pesticides, Disaster Response, Minority Populations andChildren's Issues
  • Trauma in Hispanic Farm Workers in Eastern North Carolina: 10 Year Experience ata Level I Trauma Center
  • Assessment of Air Quality at Neighbor Residences in the Vicinity of Swine Production Facilities
    Keywords: Air quality, swine confinement animal feeding operation system(swineCAFO's), hydrogen sulfide, psychological disorder, respiratory symptoms
  • Potential Exposure to Hazardous Work Activities: Tractor Usage Among Farmwomen
    Keywords: Agriculture, women, tractor use, injury prevention
  • Orchard Evaluation of Ergonomically Modified Apple Bucket
    Keywords: Ergonomics, migrant farmworkers, musculoskeletal strain, muscle fatigue
  • Structural Equation Modeling of the Relationships Between Pesticide Poisoning, Depressive Symptoms and Safety Behaviors Among Colorado Farm Residents
    Keywords: Farmers, agriculture, occupational health, depression, pesticides, safety behaviors
  • Causes of Mortality and Risk Factors for Injury Mortality Among Children in the Agricultural Health Study
    Keywords: Children, farm, mortality, injury, agricultural machinery
  • Nonfatal Injuries to Household Youth on Native American Operated Farms in the U.S., 2000
    Keywords: Agriculture, youth, injuries, surveillance, minority, Native American
  • Health and Social Impacts of Tobacco Production
    Keywords: Agriculture, agricultural workers, health disparities, community health, occupational health
  • A Feasibility Study of the Use of Dust Wipe Samples to Assess Pesticide Exposuresin Migrant Farmworker Families
    Keywords: Migrant, farmworkers, pesticides, house dust, Hispanic, mothers
  • Suicide and Potential Occupational Exposure to Pesticides, Colorado 1990-1999
    Keywords: Suicide, occupation, farmer, pesticides
  • Pacific Northwest Health Professionals Survey on Pesticides and Children
    Keywords: Pesticides, medical education, child health
  • Characteristics of Children's Agricultural Tasks in Hmong Farming Communities
    Keywords: Hmong, agriculture, child, injury, safety
Medical Geology, Geomedicine を訪ねる(1):定義
「農医連携」という言葉は、生命科学全般を思考する博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@で新しく使用しはじめたものであると、「情報:農と環境と医療 10号」の「Agromedicine を訪ねる」で書いた。このAgromedicineに関しては、これまで「情報:農と環境と医療」のなかで様々な資料を提供してきた。

今回から新たに、Medical Geology とGeomedicine についての紹介を始める。Medical Geology と Geomedicine とは同義語である。とくに北欧の国々ではGeomedicine、国際的にはMedical Geology と称されている。Medical Geology またはGeomedicine の簡単な定義は、次の通りである。「The branch of medicine dealing with the influence of climate and environmental conditions on health.」

「気候や環境条件が人や動物の健康に及ぼす影響を扱う医学部門」と訳しうる。わが国では、地質汚染-"医療地質-"社会地質学会(The Japanese Society Geo-Pollution Science, Medical Geology and Urban Geology)が2004年12月に設立され、ここではMedical Geology を医療地質と訳している。またこの問題に関連する論文などをみると、地理医学的などとも訳されている。

そもそもMedical Geologyは、国際地質学連合における環境地質学委員会(COGEOENVIRONMENT)のなかにあるMedical Geology 作業部会が1998年に立ち上げた新しい部門である。作業部会の原文をそのまま引用すると、定義は次のようである。

"Medical Geology" is defined as the science dealing with the relationship between natural geological factors and health in man and animals, and understanding the influence of ordinary environmental factors on the geographical distribution of such health problems. Medical Geology is therefore a broad and complicated subject which requires interdisciplinary contributions from different scientific fields if the problems are to be understood, mitigated or resolved.

最も最近(2007)出版されたスウェーデンのOlle Selinusによる著書、「Essentials of Medical Geology(地理医学要説:仮訳)」の目次は、次の31章からなる。

1. 地理医学:展望と将来、2. 自然の背景、3. 人為起原、4. 元素摂取の化学的視点、5. 元素摂取の生化学的視点、6. 元素の生物学的機能、7. 養分に関わる地質の影響、8. 元素の欠乏と毒性、9. 火山噴火と健康、10. 大気と水のラドン、11. 地下水と環境のヒ素、12. 天然水中のフロン、13. 硬水と健康影響、14. 土壌の微量元素と主要元素の生物有用性、15. 自然環境:セレンの欠乏と毒性、

16.ヨードの地球?土壌科学およびヨード欠乏、17. 食土と土の摂取、18. 天然のエーロゾル粉塵と健康、19. 土壌由来病原菌の生態学、20. 動物と地理医学、21. 環境疫学、22. 環境医学、23. 環境病理学、24. 毒性学、25. 微量元素の特徴:方法と公衆衛生、26. 健康のためのGISデータベースの活用、27. リモートセンシングとGISの動物媒介病研究への活用、28. バイオアパタイトの鉱物学、29. 有機?無機地球化学技術、30. 地理医学における歴史科学と微細精密分析、31. 地下水の流量と水質のモデリング

いずれにしても、人と動物に関わる健康を、病理、毒性、地質、重金属、地理、地形、土壌、水質、食物、食品などあらゆる環境要因から追求する学問である。農業と環境と医療に関わる重要な学問であることに違いはない。Geology は地質であって、決して地理(Geography)ではないが、Medical Geology と Geomedicine が同義であるところから、地理医学と訳したい。読者の意見をいただきたい。

今後、この学問はますます発展していくであろう。農医連携の科学を展開するためにも欠くことのできない分野である。和辻哲郎の風土論が頭をよぎる。以下に地理医学にかかわる冊子を紹介する。これらの冊子は、随時この情報の「本の紹介」に登場させる予定でいる。

参考文献?資料
  1. Environmental Medicine: Ed. by Lennart Moller, Joint Industrial Safty Council/Sweden (2000)
  2. Essential of Medical Geology: Ed. by Olles Selinus, Elsevier (2007)
  3. Medical Geology Newsletter, IUGS Special Initiative on Medical Geology/International Medical Geology Association
  4. Geology and Health: closing the gap: Eds. H. Catheine etal., Oxford University Press (2003)
資料の紹介 7:平成18年度「チーム医療教育」報告書、博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@
博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@の平成18年度「チーム医療教育」報告書:医療系4学部によるチーム医療教育の実践-"安全で良質な医療の実現に向けて-"がまとめられた。

博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@は、将来にむけて「健康?環境?食の連携による生命科学と医療科学の総合大学」をめざし、この領域において新たな学問や教育体系を創出し、与えられた社会的使命を果たそうとしている。

このため、それぞれの専門分野における教育と研究の深化を図ることはもとより、感染制御の基礎研究から創薬?ワクチン開発を一貫して行う「感染制御研究?教育」、安全で良質な医療協働を教育する「チーム医療教育」、人の健康増進と環境の保全?創造のための「農医連携研究?教育」など、統合知を求める研究?教育に鋭意取り組んでいるところである。

このほど、平成18年度「チーム医療教育」が冊子としてまとめられた。内容は、講義:博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@医療系4学部の新しいチーム医療教育、ビデオ視聴:4学部の紹介、北里におけるチーム医療、チームディスカッション:ワーク1、2、3、チームディスカッション報告会、総合討論、合同親睦会から構成されている。
本の紹介 25:硝酸塩は本当に危険か-崩れた有害仮説と真実-、J.リロンデ ル/J-L.リロンデル著、越野正義訳、農文協(2006)
学問の継承

数値気候モデルによる気候変動予測の先駆的研究で、温室効果ガスの役割を定量的に解明したのは、第1回ブループラネット賞を受賞した真鍋淑郎博士である。氏の功績こそが、大気の二酸化炭素濃度の増加による地球温暖化の問題を明らかにした基なのである。

そのまた基は、長年にわたり大気中の二酸化炭素濃度を精密に測定し、地球温暖化の根拠となるデータを集積?解明し、第2回ブループラネット賞を受賞した米国のチャールズ?キーリング(Charles D. Keeling)博士にほかならない。

さて、大気の二酸化炭素の増加に伴って大気の酸素が減少している。大気中の酸素濃度が減少すると簡単に言ったが、これを測定するのは至難の業である。というのは、大気中の酸素濃度21%(2,090,000ppm)に対し、二酸化炭素濃度は380ppmときわめて低い。つまり、二酸化炭素に比べて酸素の濃度を4桁の高精度で計らないと、両者の比較ができないのである。

長い間、大気中の酸素の減少を検出することは不可能だと考えられてきたが、ラルフ?キーリング(Ralph F. Keeling)が世界で最初にこの分析法の開発に成功した。ちなみに、ラルフの父親は世界で初めて二酸化炭素の精密観測を行ったことで有名な、上述したCharles D.Keelingである。父親のCharles D. Keeling が二酸化炭素をやったのだから、酸素の測定は自分がやると挑戦し、ついに成功し、1989年より連続観測が開始された。その結果は衝撃的であった。酸素濃度が二酸化炭素濃度の増加に対応しながら減少していたのである。

話が逸れる。伊達政宗によってスペインなどへ派遣され遣欧使節の団長支倉常長は、ローマ教皇パウロ5世などにあって多くのことを学び帰国した。正宗に報告した事項の一つに学問がある。学問の真髄は、継承であると報告したそうである。

前書きが長くなった。この本は、Keeling親子の姿や支倉常長の言う「学問の継承」をみごとに証明する大作である。フランスはカン大学医学部小児科のジャン?リロンデル教授と、その息子のカン大学医学部リューマチ病科の医者ジャン?ルイ?リロンデルとの合作であるこの本は、現在必要以上に厳しく消費者に無用な不安をかきたてている規制を、医学者、農学者、政策立案者、保健関係者などに、見直させる思いで書かれたものである。

原題?刊行にあたって?格言

本書の原題は「Nitrate and Man: Toxic, Harmless or Beneficial?」である。翻訳された題名は「硝酸塩は本当に危険か:崩れた有害仮説と真実」になっている。この題名からは、肥料学の泰斗であり環境問題に関心の深い翻訳者の想いの歴史が感じ取られる。この項の執筆者は翻訳者を存じ上げているので、その感がより深いのかもしれない。

また日本語版の刊行にあたって、土壌肥料学が専門の東京農業大学総合研究所三輪睿太郎教授が、この本に書かれた問題の発端、疑問、社会的力学、評価などを実に簡潔かつ要領よくまとめている。そのうえ、この本の読み方まで示唆している。

この本は、きわめて具体的な立証の本であるにもかかわらず、次のような著名人の短い言葉で科学の真理も表現している。曰く、「理論化はそれが事実に基づく限り、また観察されたことから系統的に演繹される限り承認されるべきものである:ヒポクラテス」、「真実の教えを尊重する第一の義務は????それを当然のこととしないことである:ジャック?リヴィエル(1886~1925)」、「ひとつの意見を変えるよりも、ひとつの原子を変えるほうが容易である:アインシュタイン」。

背景と結論

日常の飲料水や食品中から多量の硝酸性窒素を摂取すると、乳児の場合はメトヘモグロビン血症(血液中には酸素を運搬するためのヘモグロビンというタンパク質が存在する。ヘモグロビン中には還元型の鉄:Fe2+が含まれているが、この鉄が酸化型:Fe3+へ変化したものがメトヘモグロビン。通常血液中に2%以下しか含まれないメトヘモグロビンが、異常に高くなった場合がこの血症。チアノーゼを伴い、乳児の顔色が青くなることから、ブルーベビー症とも呼ばれる。)を引き起こすことがある。乳児のみならず成人の場合でも、体内に取り込まれた硝酸が亜硝酸へと還元され、さらに他の有機物と反応して、発ガン性のあるN-"ニトロソ化合物が生成されるリスクが高くなると言われている。

したがって、わが国の水道飲料水中の硝酸性窒素(NO3-N)および亜硝酸性窒素(NO2-N)の合量は、10ppm以下に定められている。また水質汚濁の環境基準においても、人の健康の保護に関する環境基準として、硝酸性窒素+亜硝酸性窒素 が10ppm以下であることが指定されている。

欧米諸国においても同様の規制が定められている。さらに欧州連合では、生鮮緑色野菜には硝酸塩 (硝酸は陰イオンとして存在し、カリウムやナトリウムなどの陽イオンと塩を形成している。それらを総称して硝酸塩と呼ぶ。) が多く含まれているため、ホウレンソウとレタスについて硝酸性窒素濃度も規制の対象になっている。

わが国では、厚生労働省や都道府県が野菜の硝酸性窒素含量を調査している。食品中の硝酸塩の基準値は、添加物として硝酸塩を使用する特定の食品のみに設定されている。詳細は、農林水産省消費?安全局の野菜中の硝酸塩に関する情報(http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/syosanen/)を参照されたい。

硝酸塩が健康へ影響を及ぼすリスクは、多くの医学的?疫学的調査研究に基づいて定められたものである。しかし、実はそうした科学的な根拠は薄く、硝酸塩の有害性が過大に評価されていることをこの書は突いている。むしろ硝酸塩は、医薬として有益な作用をすることが、数多くの論文を引用しつつ述べられる。

著者は、硝酸塩規制の根拠とされたこれらの疫学調査の誤りを37頁にわたる膨大な文献を紹介しつつ指摘する。井戸水が原因とされたメトヘモグロビン血症のほとんどが、硝酸塩ではなく衛生状態の悪い井戸水に原因があったことを明らかにしている。また、ニトロソアミンには確かに発ガン性はあるが、疫学的調査によれば、硝酸塩と発ガンの関係は認められず、むしろ抗ガン性を示しているという。

著者の結論は、「第8章:総括および結論」で明解にされる。「硝酸塩の歴史は50年以上も続いた世界的規模での科学の誤りである。今こそこの遺憾な、そして高くついた誤解を正すときである」。

硝酸塩の有害性の評価が厳しすぎるため、すでに施行されている規制が再吟味されることがあれば、この本でフランス医学アカデミー会員のルトラデット氏が序文に指摘しているように、「食物の安全性を確保するために驚くべき努力をし、しかも、しばしば汚染をしていると非難されて何ら報われない農業者を安心させるもの」になるであろう。

この本について、他にも「書評」と「本の紹介」がある。書評は、冒頭に紹介した三輪睿太郎氏が、季刊肥料:106, 15p(2007)に書いたものである。次のことを強調している。「私たちの仕事は、モチベーションではなく、研究における仮説の有用性と検証の合理性で評価されることを忘れては成らない。こんな当たり前のことを改めて考えさせられた。」

「本の紹介」は、(独)農業環境技術研究所から毎月定期的に発信されている「情報:農業と環境」(http://www.niaes.affrc.go.jp/magazine/082/mgzn08210.html)である。そこでは、さらに深く内容を知りたい人へ次のような親切な紹介がある。

「著者の一人、J-L. リロンデルは、英国ロザムステッド研究所の世界的土壌学者アディスコット(T. Addiscot)らと共著の解説記事の中で、基準を20ppmに上げても人の健康リスクに影響を及ぼさずに、10ppmという現行基準を守るためにかけている膨大な社会的コストを低減できるはずであると述べている(Environmental Health Perspectives 誌、114巻8号、A458-A459、2006:)」

科学は、過去においてこのようなことを幾度も繰り返してきたであろうし、今後も繰り返し続けるであろう。人はそれほど分別ある存在ではない。人は大勢が信じることを信じ、書くことを書き、大勢が言うことを言う。脳の構造は、100年前と今も同じなのだから。目次は以下の通りである。

目次/日本語版の刊行にあたって/序文/まえがき/謝辞/緒言

第1章 医薬における硝酸塩の歴史
  1. 硝石の天然および人工の鉱床
  2. 硝酸塩を含む薬品
  3. 調味料としての硝酸塩
  4. 硝酸塩が亜硝酸塩に変化したあとの抗菌作用-1930年代以降に食品研究者に知られるようになった効果
第2章 自然界の窒素循環と自然肥よく性
  1. 窒素循環
  2. 自然界における肥よく性の増加

第3章 体内での硝酸塩の生成と代謝
  1. 硝酸塩は代謝産物
  2. 体内の硝酸塩はどこから?
  3. 体内における硝酸塩の代謝変換とその行方
  4. ロ内唾液による硝酸塩から亜硝酸塩への変換
  5. 胃における硝酸塩と亜硝酸塩の動向
  6. まとめ

第4章 体液中の硝酸塩濃度の変動と役割
  1. 健康な人間の硝酸塩濃度変化
  2. 病理的な条件下での変化
  3. 結論

第5章 硝酸塩は本当に危険か-"科学的再考
  1. 乳児におけるメトヘモグロビン血症のリスク
  2. 成人のガンのリスク
  3. その他の不当な申し立て
  4. いずれの健康リスクも実証されていない

第6章 硝酸塩の規制は正当化できるか
  1. 飲料水の硝酸塩規制
  2. 食品の硝酸塩規制
  3. 硝酸塩の許容日摂取量と参照投与量の根拠
  4. 認識の教条化がもたらされた

第7章 硝酸塩の健康に対する効果
  1. さまざまな感染症を防ぐ
  2. 高血圧や心臓血管病を防ぐ可能性がある
  3. 胃ガンや潰瘍も減らせるかもしれない
  4. 結論

第8章 総括および結論
付録1 換算係数および換算表
付録2 食品に用いられる硝酸塩の起源
付録3 健康な成人に経ロ投与した硝酸塩の動態
付録4 血漿中硝酸塩濃度が高くなる病気および治療法
付録5 硝酸塩によるガンの発生および致死率に関わる疫学的研究
付録6 亜硝酸塩や硝酸塩の多量摂取が健康に及ぼす短期的影響
文献/訳者解題
本の紹介 26:ダーウィンのミミズ、フロイトの悪夢、アダム?フィリップス著、渡辺政隆訳、みすず書房(2006)
生物学と精神分析学の決闘

フロイトは、知的三大科学革命を成し遂げた偉人として、まず地動説を唱えたコペルニクス、続いて進化理論を確立したダーウィン、さらには無意識を発見したフロイト自身を挙げている。

コペルニクスの地動説により宇宙論からの脱中心化が起こり、世界の中心であると思う傾向があった人間は、もはや世界の中心ではなくなったのである。

次にダーウィンの確立した進化論により生物学的な脱中心化が起こり、生物的に最高な本質を有すると思っていた人間は、そうでなく、動物進化の生物学的連鎖を完結する鎖の輪の一つとなったのである。その後、進化の動きは止まったのかどうか。

フロイトの精神分析学の時代になると、人間中心主義への幻滅がその細部にいたるまで浸透し、思考する主体の思考ならびにその固有の意識は、無意識過程のごく微細な部分にすぎず、無意識のメカニズムは、思考ではまったく捉えられないものとされた。これらは、人間の自己中心性の脱中心化革命として位置づけられる。

フロイトはダーウィンを深く学び、生物学と精神分析学を関係づけて説明している。彼自身が提示している生物学と精神分析学の間の諸関係を問う道は、次のようである。「生物学はまさに無限の可能性を秘めた領域である。生物学が最も驚異的な知見を提供してくれることを期待する。ここ数十年間に生物学に向けられる問いかけに対して、生物学がどんな解答をするか測りしれない。恐らくそれは、私たちの仮説で固めた人工の建物を根こそぎ覆すほどの解答であろう。」

さて、ダーウィンは、大地を耕すミミズの働きについて目を開かされた。それ以来ダーウィンは、生涯にわたってミミズにこだわり続け、ミミズに関する著書をものにした。科学者としてのこだわりであった。

フロイトは、伝記を書かれることを嫌悪してやまなかった。自分の人生に生きて自由に死ぬこと、それがフロイトのこだわりであり、他人に勝手に自分の人生を創られたくはなかった。自分の伝記を書かれることは、まさに悪夢だったのだ。

精神療法家である著者のアダム?フィリップスは、ミミズに対するダーウィンのこだわりにこだわった。そして、フロイトがこだわったものとダーウィンのこだわりに相通じる意味を見だした。その結果として上梓されたのがこの本である。

生物学(ダーウィンのミミズ)と精神分析学(フロイトの悪夢)を関係づけて説明する企てとは、何か。決闘にも等しいことだ。農と環境と医療を関係づけようとする視点は、ドン?キホーテを想起させる。ドン?キホーテから見れば、このフィリップスの企ては実に興味深い。ミミズは、農の根源である土壌という環境を生産する第一人者である。ミミズが精神医学の分野とどのような関係があるのか。農医連携の科学のために何らかのヒントが隠れているのであろうか。

プロローグ

ダーウィンとフロイトは、自然史について語る偉大な書き手で、生涯にわたり人生の終わりということにこだわっていて、さらに自然は神などではなく神の庇護のもとに出現したものですらないなどと、この世についてきわめて一貫した共通の認識を持っていた。

つまり、ダーウィンもフロイトも、それまでの「神に創られた世界」とか「神に似せて創られた人間」という西欧の一般的だった概念をくつがえす考えを世の中に提供した。その影響は、概念を提唱した本人たちのみならず、西欧社会全体に広く及ぶところとなった。それまでの固定概念の中で育ってきた世界像が変わってしまうとき、人はどう対処していくのか。その答えがダーウィンの場合、ミミズへのこだわりで、フロイトの場合、伝記を書かれることの嫌悪だった、と著者は語る。

例えば「神はない」と言うような概念で世界観が変わるとき、それまで「神」によって保証されていた代替に何を持ってくれば、精神的に平和で安定した生き方が続けられるのだろうか。著者はそれを次と次の章で解説する。

ダーウィンのミミズへのこだわり

この章では、ダーウィンがその著書「種の起原」で語ったことが強調される。すなわち、自然の荘厳さ、ものすごい多様性、荒々しいエネルギーの噴出。自然は際限のない変異を生んでいること、しかもその多くは予測のつかない変異であること。

著者は、生き物たちのすべてはある法則によって造られたものであると、ダーウィンの「種の起原」の最後の一節を引用する。「それらの法則とは、「成長」して「繁殖」すること、繁殖とさしてちがわない意味での「遺伝」、生物を取り巻く条件の間接的および直接的な作用と用不用による「変異性」、「生存闘争」を引き起こし、「自然淘汰」が作用する結果として「形質の分岐」と改良面で劣る種類の「絶滅」を強いるほど高い「増加率」などである。かくのごとく、自然の戦争から、飢餓と死から、われわれにとってはもっとも高貴な目的と思える高等動物の誕生が直接の結果としてもたらされる。そもそもは一種ないしわずかな種に創造主が息を吹き込み、いくつかの力を与えたことに始まるとする生命観には荘厳なものがある。」

ダーウィンはこの壮大な光景を描き出すことで、避けて通れない倫理上のジレンマになんとか折り合いを付けようとした。それは、自然が見せるあふれるほどの豊饒さと残酷さという二面性の内、人間が自分たちに許せるのはどちらなのか、享受できるのはどちらなのか、もっと強く心に響くのはどちらなのかというジレンマである。 ダーウィンはこの問題、すなわち倫理上のジレンマの絶望から救われるためにもミミズに言及したと著者は語る。最初に彼が発表したミミズの論文「沃土の形成について」は1837年。それから44年後の1881年に発表した彼の最後の著書は、「ミミズの作用による沃土の形成」であった。

彼は、最初にミミズの何が自分の興味を引くのかを選択し、次にミミズの賞賛すべき点を語り、自らの倫理的世界を構築する。ミミズの消化と排泄は、過去を保存すると同時に、将来の成長を約束する条件を創造している。この連続性を保証するにあたって、いかなる神も必要ではない。ミミズは常に土壌を豊かにし、必要な食物を供給してくれているのである。

ミミズの生態を世に問うことによって、彼が思っていた美徳が普及され、自己の壮大な科学により引き起こされ混乱した倫理観や美徳が救い出されたのである。この「ミミズと土」によって、ダーウィンの持つ倫理上のジレンマは解消されたと、著者は言う。

フロイトにとっての死

フロイトは語る。生命とは、自身を消そうとする「それ自身を抹消しよう」とする緊張なのである。生命には耐え難い何かが存在する。それは、もしかしたら意識なのかも知れない。その「緊張」なるものから、われわれを解放してくれるのは、唯一、死のみである。フロイトは死を夢想する。フロイトにとって、本来の人生は死の物語であり、いかに死ぬべきかという物語なのである。

しかし、生けるものが死という目標に到達する前に辿るべき迂回路は複雑である。生物は自分の流儀でしか死にたがらない事実があると、フロイトは述べている。言うなれば、その人の人生に欠かせない、調和した死が存在するというのである。自分流の、自ら創造した死がそれである。

生物はそれ独自の流儀で死ぬしかないと言うこの主要なもくろみには、生殖、幸せ、正義、生存など、生命の目標とされそうなものすべてが含められているという。言うなれば、われわれは満足したいという願望が死によって消えたとき、やっと満足するというのだ。俗に言えば、良く生きることが、良き死を迎える最大の手段なのである。

別の言い方をすれば、われわれは目標を目指す完璧主義者であり、芸術家だと著者は語る。意識的な芸術家ではない。これが自分だと私がそういうことを図るわけではない。この行為は、無意識の状態によって駆り立てられる。自分流の死を創出するために、抵抗する。

だからフロイトにとって、伝記作家に伝記を書かれるのは許し難いことなのである。

このように、ダーウィンが終生にわたってミミズにこだわり続けたという事実、フロイトが伝記を書かれることを嫌悪してやまなかったという事実を知れば、二人の見つけた対象が理解できると著者は言う。死であり、人生の無常である。

エピローグ

プロローグの章と同じように、ダーウィンとフロイトがもつ多くの共通点が指摘される。それらは、死という概念、生き延びられる喪失、創造性、高等なものへの懐疑、伝記、喪失の経済学、理想、習慣、悲哀などである。

最後に、著者の語りたかったこと2点を原文のまま紹介する。

「ダーウィンとフロイトがわれわれの関心を向けさせたかったのは、現実的な楽観主義者であるための方法-"落胆せず、厭世的でもなく、過度のナルシストにもならない方法-"だった。それが、ミミズであり、伝記作家にあらざることであった。唯一可能な世界が、実現しうる最高の世界であらねばならないのだ。」

「有能なミミズについて書くダーウィン、理不尽で抜け目のない死の本能について書くフロイトは、新しい種類の英雄的な自然を提供してくれているのだ。そしてそうすることで彼らは、最終的に、自分自身を創造せよ、自分自身を自然の側から記述せよと要請している。しかし彼らは、自然がそのような観点を備えていないことは、(ほかならぬ彼らの)定義により、十全にわきまえている。ようするにダーウィンとフロイトは、死ぬ定めに関して過度に落胆するな、自分なりの死を生きろと説いているのだ。」

読み終えて、生物学と精神分析学の関連づけのむずかしさが、農と医を連携させることにもあると痛切に感じられた。次項の「言葉の散策 14」を読んでいただき、この項の筆者がこの本を本当に分かったかどうか判別していただきたい。
言葉の散策 14:分?解?判?弁?別?わかる
語源を訪ねる 語意の真実を知る 語義の変化を認める
そして 言葉の豊かさを感じ これを守る

「わかる」が、よくわからない。「わかる」の漢字に、分?解?判?弁?別などが使われる。小学館の日本国語大辞典の「わかる」によれば、自動詞としては、次のような説明がある。1)一つのものが別々になる。また、区分される。わかれる。2)物事の意味、内容、事情、区別などが了解される。3)立場、気持ち、事情などを察してさばけた気持ちを持つ。物わかり良く世情に通ずる。4)事実などがはっきりする。判明する。知れる。

他動詞としては、1)承知する。のみこむ。2)承知してとりはからってくれる意から、金銭などをもらう、との説明がある。

漢字に関しては、平凡社の字通と常用字解による。「分」について。八+刀。八は両分の形。刀で物を両分する意。説文(最古の部首別漢字字典。略していう。説文解字)に「別つなり」とし、「刀は以て物を分別するなり」という。分解、分際、分析などがある。

「解」について。角+刀+牛。刀で牛角を切り取る意。説文に「判(わか)つなり」とあり、のち牲体を解く意となる。解決、解釈、解愁、解析、解説、解惑などがある。

「判」について。半は牛を両分する意。刀( noui_25_1.gifりっとう)を加えて両分する意。説文に「分かつなり」とあり、分は刀で物を両分する意意。契約書を両分してその一片を持つことを判という。契約の是非を審定することから、裁判の意となる。可否や黒白を区別し見分ける意。判決、判断などがある。

「弁」について。説文に「瓜中の実なり」とあり、瓜中に整然とならぶなかご(瓜などの実の内部の種の入った柔らかい部分)をいう。説文に「治むるなり」とは、獄訴を修めるの意。是非を裁定することを弁といった。弁解、弁識、弁釈、弁析、弁智などがある。

「別」について。noui_25_2.gif(か)+刀( noui_25_1.gifりっとう)。noui_25_2.gifは人の胸骨から上の骨の形。その骨の骨節(骨の間節)のところを刀で切り離す意。牛角を刀で解くことを解といい、骨間をわかつことを別という。説文に「分解するなり」とあり、分離解体することを原義とする。そこで、「わかる」でも「わかれる」の意がもと。

次は蛇足。「わからない」。これは方言で、駄目である、いやである、いけない、の意で北海道や秋田県でよく使われる。他に「わからない人」などもある。これは方言ではあるまい。

「わかる」が、「よくわからない」ことに日々しばしば出くわす。「戸締まりをきちんとするのだぞ、2+2=4だよ、水は100度で沸騰するものだ、わかったか」、「はい、わかりました」。これはわかる。具体的であったり、科学そのもので、いわば理科だからわかる。今は、これがわからない人も時としている。

「相手の気持ちになって、介護しましょうね」と言われると、誰しも「わかりました」と、答える。「俺のこの気持ちがわかるか?」と言われると、また「わかる」と言う。見ていると、ひとつも気持ちがわかっていない。会議の席で「わかりましたね。よろしいですね。Aと決議します」と決めても、次の会議で、「Aの件ですが???」とくる。これは何でしょうか。これらのことが「分かる」のでないことだけは、まちがいなくわかる。具体的あるいは科学的に分かっているのではないのである。わかった気がしたのか、納得したのであって、分かったのではない。

少しわかってきた。今後、理科的で理詰めでわかることを「分かった」と書き、「分かった」と言うことにする。抽象的で文科的で、わかったような気がし、納得できたときには「わかった、得心した、腑に落ちる」などと書くことにする。しかし、そのとき言葉では何と言おうか?「なるほど、納得、信じる」などと言おうか、それとも「ふむふむ、ほー、なるほど」に止めようか。悩ましい問題である。
コラム:告朔のnoui_25_4.gif羊(こくさくのきよう)
本学の学位記授与式(卒業式)が全て終わった。水産学部に始まり、獣医畜産学部、保健衛生専門学院、薬学部/医学部/看護学部/理学部/医療衛生学部にまたがる全ての式に参加する機会に恵まれた。「君が代」あり「学生歌」あり「楽団」あり「謝恩会」あり「後輩の歓待」あり「父母への感謝」ありで、学生時代の思い出が彷彿として蘇った。

壇上には「国旗」あり「北里柴三郎博士の遺影」ありで、式典はそれぞれの歴史にふさわしい音色に満ちていた。

戦後、形式や式典が無視される傾向が続いた。博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@の姿は知らないが、大学のなかには式典にネクタイをしない教授がいて、「俺は自由人」だとうそぶいていた。ネクタイが人や式典に敬意を表するものとしてあるのも知らないで、自分のためにだけあると思っていたのだ。単なる無知と、浅くて質の悪い個人主義にすぎない。

貝塚茂樹は、正月は門松を立てるのがいい。立てなければ正月はこない。門松は虚礼ではないと書いたという。貝塚は「告朔の羊」を引いてこれを論じたという。

「告朔のnoui_25_4.gif羊」は、むかし中国で毎月朔日(ついたち)に羊を生け贄にした祝儀であった。孔子の弟子がむだである、形式である、羊がかわいそうである、止めようといった。これに対して、おまえは羊を惜しむか、私は「礼」の廃れるほうを惜しむと、孔子は言った。

もともとニュートンの絶対時間にはけじめがないから、古人の豊かな知恵がそれをつけた。それが様々に催される式典であり、正月の門松だ。式典を笑う者は、歴史の豊かさが理解できない寂しい人だ。

未来を夢見て卒業する学生。これを見守る教師。歓びと感謝を秘めた父母の姿。この式典は不滅でありたい。「仰げば尊し」の歌詞が聞ければ、わが感性はさらに潤ったであろう。博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@よ永遠なれ。
総目次(情報:農と環境と医療 13号~24号)
平成17(2005)年5月1日から毎月1日に発刊してきた「情報:農と環境と医療」が25号を迎えた。1号から12号については、すでに12号に総目次を掲載した。今回は、平成18(2006)年5月1日の13号から平成19(2007)年3月1日の24号についての総目次を掲載する。

13号(2006/5/1)
  • 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@におけるチーム医療教育の実施:試行プログラム  ?????  13- 1
  • 第1回 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウム-農?環境?医療の連携を求めて-(5)千葉大学環境健康フィールド科学センターの理念と実践  ?????  13- 1
  • 第1回 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウム-農?環境?医療の連携を求めて-(6)農?環境?医療の連携の必要性 ?????  13- 6
  • 第1回 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウム-農?環境?医療の連携を求めて-(7)総合討論とアンケート結果  ?????  13-11
  • 本の紹介 16:感染症は世界史を動かす、岡田春恵著、ちくま新書 580(2006) ?????  13-12
  • 資料の紹介 3:気候変動と人間の健康-リスクと対策-Climate Change and Human Health: Risks and Responses WHO/WMO/UNEP  ?????  13-15
  • 言葉の散策 8:土はいきている「土-"生-"世-"姓」  ?????  13-15

14号(2006/6/1)
  • 気候変動と健康影響 ?????  14 -1
  • 本の紹介 17:カナダの元祖?森人たち、あん?まくどなるど+磯貝 浩著、清水弘文堂書房(2004)  ????? 14- 6
  • 水俣病発生から?年?公式確認から50年  ?????  14-11
  • 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@におけるチーム医療教育の試行プログラムが実施された ????? 14-15
  • Agromedicine を訪ねる(3):Journal of Agromedicine  ?????  14-15

15号(2006/7/1)
  • 農?環?医にかかわる国際情報:5.国際土壌科学会議-土壌と安全食品と健康- ?????  15- 1
  • 農?環境?医療から見た水問題  ?????  15- 5

16号(2006/8/1)
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの開催 代替医療と代替農業の連携を求めて-現代社会における食?環境?健康- ?????  16- 1
  • 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携委員会の設置  ?????  16- 2
  • 平成18年版食料?農業?農村農業白書が刊行された  ?????  16- 3
  • 農?環?医にかかわる国内情報:8.ILSI Japan  ?????  16- 4
  • スギ花粉症緩和米の研究開発 ?????  16- 6
  • 本の紹介 18:感染爆発-鳥インフルエンザの脅威-、マイク?デイヴィス著、柴田裕之?斉藤隆央訳、紀伊國屋書店(2006)  ?????  16- 9
  • 本の紹介 19:食品の裏側-みんな大好きな食品添加物-、安部 司著、東洋経済新報社(2005)  ?????  16-11
  • Agromedicine を訪ねる(4):Journal of Agromedicine  ?????  16-15

17号(2006/9/1)
  • わが国を取りまく環境変動の今(1)温暖化による永久凍土の後退?大型クラゲの大発生?東京の熱帯夜?尾瀬のミズバショウ?マイワシの漁獲量激減?漂流ごみ  ????? 17- 1
  • 農?環?医にかかわる国際情報:6.アメリカの農医連携教育?研究 ?????  17-8
  • 本の紹介 20:医療崩壊-「立ち去り型サボタージュ」とは何か-、小松秀樹、朝日新聞社(2006)  ?????  17- 9
  • Agromedicine を訪ねる(5):Journal of Agromedicine  ?????  17-14
  • 言葉の散策 9:「言葉」と「散策」の語源  ?????  17-15


JOHO:Nou-Kankyo-Iryo 18号(2006/10/1)
Newsletter: Agriculture, Environment, and Medicine, No.18
The Proceedings of The First Agromedicine Symposium in Kitasato University,
  • A Message from the Symposium Organizer: Tadayoshi Shiba  ????? 18- 2
  • The Need for Collaboration between Agriculture, Environment, and Healthcare:Katsu Minami  ?????  18- 3
  • Chiba University Center for Environment, Health, and Field Studies -Philosophy and Practice-: Toyoki Kozai  ?????  18- 9
  • Agromedicine from the Perspective of Medicine: Yoshiharu Aizawa  ?????  18-14
  • Food, Agriculture, and the Environment: Isoya Shinji  ?????  18-18
  • Combining Oriental Medicine with Horticultural Therapy: Toshiaki Kita  ?????  18-23
  • Human Health and Functional Foods: Takafumi Kasumi ?????  18-26

19号(2006/10/1)
  • 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携委員会が設置された ?????  19- 1
  • わが国を取りまく環境変動の今(2)サンゴの白化現象?病原虫や耐性菌による野生生物汚染?アルゼンチンアリ ?????  19- 1
  • 本の紹介 21:強毒性新型インフルエンザの脅威、岡田晴恵編著、藤原書店(2006)  ?????  19- 6
  • Agromedicine を訪ねる(6):Journal of Agromedicine  ?????  19-10

20号(2006/11/1)
  • 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@と相模原市の連携による地域産業の活性化に関する協定書  ?????  20- 1
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムが開催された  ?????  20- 1
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの内容(1)  ?????  20- 2
  • 土壌侵食とマラリア流行が文明を崩壊?  ?????  20- 7
  • 資料の紹介 4:ヘルシスト、vol.30, No.5 (2006)  ?????  20-13
  • 言葉の散策 10:気  ?????  20-14

21号(2006/12/1)
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの映像音声と資料画像  ?????  21- 1
  • 第6回医薬品等ウイルス安全性シンポジウムの開催  ?????  21- 1
  • 第2回薬用植物セミナー「薬用植物による新たな都市農業の創出を目指して」の開催  ?????  21- 2
  • 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@と十和田市との連携協力-地域振興のための協定を締結-  ?????  21- 3
  • 八雲牧場開設30周年記念式典が開催された  ?????  21- 3
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの内容(2) ?????  21- 4
  • Agromedicine を訪ねる(7):Journal of Agromedicine  ?????  21- 7
  • 言葉の散策 11:「農」と「環境」と「医療」-漢字研究の泰斗、白川 静博士を悼む- ?????  21- 9
  • 資料の紹介 5:メリアル?マガジン?アヴァン、ベクター介在性疾患-動物とひとのつながりと感染症-、メリアル?ジャパン株式会社(2006) ?????  21-11
  • 本の紹介 22:地球白書 2006-07、クリストファー?フレイヴァン編著、ワールドウオッチジャパン(2006)  ?????  21-12

22号(2007/1/1)
  • 新しい年を迎えて:平成19年元旦  ?????  22- 1
  • 第3回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの開催 鳥インフルエンザ:農と環境と医療の視点から-現代社会における食?環境?健康-  ?????  22- 3
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの内容:(3)代替農業-その由来とねらい-  ?????  22- 4
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの内容:(4)環境保全型農業を巡って  ?????  22- 8
  • Agromedicine を訪ねる(8):Journal of Agromedicine  ?????  22-11
  • 本の紹介 23:健康の社会史-養生、衛生から健康増進へ-、新村 拓著、法政大学出版局(2006)  ?????  22-13
  • 言葉の散策 12:連携  ?????  22-15

23号(2007/2/1)
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの内容:(5)環境保全型畜産物の生産から病棟まで  ?????  23- 1
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの内容:(6)総合討論とアンケート結果  ?????  23- 5
  • Agromedicine を訪ねる(9):Journal of Agromedicine  ?????  23-10
  • 本の紹介 24:感染症-"広がりと防ぎ方-"、井上 栄著、中公新書1877(2006) ?????  23-11
  • 資料の紹介6:特集テーマ「ウイルスと生物-感染症、がん、そして進化?共生へ-」イリューム、Vol.18,No.2(2006)  ?????  23-14
  • 言葉の散策 13:獣  ?????  23-15

JOHO:Nou-Kankyo-Iryo 24号(2007/3/1)
Newsletter: Agriculture, Environment, and Medicine, No.24
The Proceedings of The Second Agromedicine Symposium in Kitasato University,
  • A Message from the Symposium Organizer Tadayoshi Shiba  ?????  24- 2
  • Partnership between Alternative Medicine and Alternative Agriculture Katsu Minami ?????  24- 4
  • Alternative Medicine: The Gap between Goal and Cause Norio Yamaguchi ?????  24- 7
  • Alternative Agriculture: Origin and Aims Kazutake Kyuma  ?????  24-10
  • Alternative Medicine and Oriental Medicine:In Search of Evidence by Scientific Elucidation Haruki Yamada  ?????  24-15
  • Environmental Conservation AgricultureKikuo Kumazawa  ?????  24-17
  • From the Production of Conservation Livestock Products to the Hospital Ward Tomiharu Manda  ?????  24-22
総索引(情報:農と環境と医療 13号~24号)
平成17(2005)年5月1日から毎月1日に発刊してきた「情報:農と環境と医療」が、今月で25号を迎えた。これを機会に平成18(2006)年5月1日の13号から平成19(2007)年3月1日の24号についての総索引を掲載した。1号から12号については、すでに12号に掲載している。索引の項目は、「挨拶」、「学内動向」、「国内動向」、「国際動向」、「総説?トピックスなど」、「Agromedicine」、「本の紹介」、「資料の紹介」、「講演会など」、「言葉の散策」とした。

挨 拶
  • 新しい年を迎えて:平成19年元旦  ?????  22- 1

学内動向
  • 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@におけるチーム医療教育の実施:試行プログラム  ?????  13- 1
  • 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@におけるチーム医療教育の試行プログラムが実施された  ?????  14-15
  • 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携委員会の設置  ?????  16- 2
  • 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携委員会が設置された  ?????  19- 1
  • 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@と相模原市の連携による地域産業の活性化に関する協定書  ?????  20- 1
  • 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@と十和田市との連携協力-地域振興のための協定を締結-  ?????  21- 3
  • 八雲牧場開設30周年記念式典が開催された  ?????  21- 3

国内情報
  • 農?環?医にかかわる国内情報:8.ILSI Japan  ?????  16- 4

国際情報
  • 農?環?医にかかわる国際情報:5.国際土壌科学会議-土壌と安全食品と健康-  ?????  15- 1
  • 農?環?医にかかわる国際情報:6.アメリカの農医連携教育?研究  ?????  17-8

総説?トピックスなど
  • 気候変動と健康影響  ?????  14 -1
  • 水俣病発生から?年?公式確認から50年  ?????  14-11
  • 農?環境?医療から見た水問題  ?????  15- 5
  • 平成18年版食料?農業?農村農業白書が刊行された  ?????  16- 3
  • スギ花粉症緩和米の研究開発  ?????  16- 6
  • わが国を取りまく環境変動の今(1)温暖化による永久凍土の後退?大型クラゲの大発生?東京の熱帯夜?尾瀬のミズバショウ?マイワシの漁獲量激減?漂流ごみ  ?????  17- 1
  • わが国を取りまく環境変動の今 (2)サンゴの白化現象?病原虫や耐性菌による野生生物汚染?アルゼンチンアリ  ?????  19- 1
  • 土壌侵食とマラリア流行が文明を崩壊?  ?????  20- 7

Agromedicine
  • Agromedicine を訪ねる(3):Journal of Agromedicine  ?????  14-15
  • Agromedicine を訪ねる(4):Journal of Agromedicine  ?????  16-15
  • Agromedicine を訪ねる(5):Journal of Agromedicine  ?????  17-14
  • Agromedicine を訪ねる(6):Journal of Agromedicine  ?????  19-10
  • Agromedicine を訪ねる(7):Journal of Agromedicine  ?????  21- 7
  • Agromedicine を訪ねる(8):Journal of Agromedicine  ?????  22-11
  • Agromedicine を訪ねる(9):Journal of Agromedicine  ?????  23-10

本の紹介
  • 本の紹介 16:感染症は世界史を動かす、岡田春恵著、ちくま新書 580(2006)  ?????  13-12
  • 本の紹介 17:カナダの元祖?森人たち、あん?まくどなるど+磯貝 浩著、清水弘文堂書房(2004)  ?????  14- 6
  • 本の紹介 18:感染爆発-鳥インフルエンザの脅威-、マイク?デイヴィス著、柴田裕之?斉藤隆央訳、紀伊國屋書店(2006)  ?????  16- 9
  • 本の紹介 19:食品の裏側-みんな大好きな食品添加物-、安部 司著、東洋経済新報社(2005)  ?????  16-11
  • 本の紹介 20:医療崩壊-「立ち去り型サボタージュ」とは何か-、小松秀樹、朝日新聞社(2006)  ?????  17- 9
  • 本の紹介 21:強毒性新型インフルエンザの脅威、岡田晴恵編著、藤原書店(2006)   ?????  19- 6
  • 本の紹介 22:地球白書 2006-07、クリストファー?フレイヴァン編著、ワールドウオッチジャパン(2006)  ?????  21-12
  • 本の紹介 23:健康の社会史-養生、衛生から健康増進へ-、新村 拓著、法政大学出版局(2006)  ?????  22-13
  • 本の紹介 24:感染症-広がりと防ぎ方-、井上 栄著、中公新書1877(2006)  ?????  23-11

資料の紹介
  • 資料の紹介 3:気候変動と人間の健康-リスクと対策- Climate Change and Human Health: Risks and Responses WHO/WMO/UNEP  ?????  13-15
  • 資料の紹介 4:ヘルシスト、vol.30, No.5 (2006)  ?????  20-13
  • 資料の紹介 5:メリアル?マガジン?アヴァン、ベクター介在性疾患-"動物とひとのつながりと感染症-"、メリアル?ジャパン株式会社(2006)  ?????  21-11
  • 資料の紹介 6:特集テーマ「ウイルスと生物-感染症、がん、そして進化?共生へ-」イリューム、Vol.18,No.2(2006)  ?????  23-14

講演会など
  • 第1回 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウム-農?環境?医療の連携を求めて-(5)千葉大学環境健康フィールド科学センターの理念と実践  ?????  13- 1
  • 第1回 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウム-農?環境?医療の連携を求めて-(6)農?環境?医療の連携の必要性  ?????  13- 6
  • 第1回 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウム-農?環境?医療の連携を求めて-(7)総合討論とアンケート結果  ?????  13-11
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの開催 代替医療と代替農業の連携を求めて-現代社会における食?環境?健康-  ?????  16- 1
  • A Message from the Symposium Organizer: Tadayoshi Shiba  ?????  18- 2
  • The Need for Collaboration between Agriculture, Environment, and Healthcare:Katsu Minami  ?????  18- 3
  • Chiba University Center for Environment, Health, and Field Studies -Philosophy and Practice-: Toyoki Kozai  ?????  18- 9
  • Agromedicine from the Perspective of Medicine: Yoshiharu Aizawa  ?????  18-14
  • Food, Agriculture, and the Environment: Isoya Shinji  ?????  18-18
  • Combining Oriental Medicine with Horticultural Therapy: Toshiaki Kita  ?????  18-23
  • Human Health and Functional Foods: Takafumi Kasumi  ?????  18-26
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムが開催された  ?????  20- 1
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの内容(1)  ?????  20- 2
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの映像音声と資料画像   ?????  21- 1
  • 第6回医薬品等ウイルス安全性シンポジウムの開催   ?????  21- 1
  • 第2回薬用植物セミナー「薬用植物による新たな都市農業の創出を目指して」の開催   ?????  21- 2
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの内容(2)  ?????  21- 4
  • 第3回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの開催 鳥インフルエンザ:農と環境と医療の視点から-"現代社会における食?環境?健康-  ?????  22- 3
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの内容:(3)代替農業-その由来とねらい-  ?????  22- 4
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの内容:(4)環境保全型農業を巡っ て  ?????  22- 8
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの内容:(5)環境保全型畜産物の生産から病棟まで  ?????  23- 1
  • 第2回博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@農医連携シンポジウムの内容:(6)総合討論とアンケート結果  ?????  23- 5
  • A Message from the Symposium Organizer Tadayoshi Shiba  ?????  24- 2
  • Partnership between Alternative Medicine and Alternative Agriculture Katsu Minami  ?????  24- 4
  • Alternative Medicine: The Gap between Goal and Cause Norio Yamaguchi  ?????  24- 7
  • Alternative Agriculture: Origin and Aims Kazutake Kyuma  ?????  24-10
  • Alternative Medicine and Oriental Medicine:In Search of Evidence by Scientific Elucidation Haruki Yamada  ?????  24-15
  • Environmental Conservation Agriculture Kikuo Kumazawa  ?????  24-17
  • From the Production of Conservation Livestock Products to the Hospital Ward Tomiharu Manda  ?????  24-22

言葉の散策
  • 言葉の散策 8:土はいきている「土-生-世-姓」  ?????  13-15
  • 言葉の散策 9:「言葉」と「散策」の語源  ?????  17-15
  • 言葉の散策 10:気  ?????  20-14
  • 言葉の散策 11:「農」と「環境」と「医療」-漢字研究の泰斗、白川 静博士を悼む-  ?????  21- 9
  • 言葉の散策 12:連携  ?????  22-15
  • 言葉の散策 13:獣  ?????  23-15
*本情報誌の無断転用はお断りします。
博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@学長通信
情報:農と環境と医療25号
編集?発行 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@学長室
発行日 2007年4月1日