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Research

下部消化管内視鏡学

下部消化管の内視鏡検査に従事する医療者を育成し、良質な内視鏡診療を提供します。
小林清典准教授
小林 清典
Kiyonori
Kobayashi
准教授
担当科目?消化器内科学、下部消化管内視鏡学
専門分野大腸腫瘍の診断と内視鏡治療、小腸疾患の診断と治療、炎症性腸疾患の診断と治療
資格日本内科学会認定医、日本消化器病学会指導医、日本消化器内視鏡学会指導医、日本大腸肛門病学会指導医、人間ドック健診指導医

内視鏡センターの紹介
博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@病院内視鏡センターは、大学病院本館3階の北西面に位置しており、検査室は12部屋あり、国内でも有数の規模を有しています。年間の内視鏡件数は約17,000件で、消化器内視鏡検査が主ですが、気管支鏡や耳鼻科、小児科の内視鏡検査も行っています。診療部門からは、消化器内科、呼吸器内科、耳鼻科の医師が内視鏡センターに兼務しており、さらに看護や医療課部門の多職種で構成され機能しています。内視鏡検査に係わる医師、看護師、内視鏡技師、事務員などが一体となり、部門の枠を越えた横断的医療を展開しています。

下部消化管内視鏡検査について
下部消化管(小腸?大腸)の内視鏡検査は、大腸内視鏡検査が主ですが、小腸内視鏡検査の施行数も増加しています。内視鏡センターでは、年間約5,200件の下部消化管内視鏡検査を実施しています。

1.大腸内視鏡検査
大腸の腫瘍性疾患や炎症性疾患、血管病変などの診断は、主として大腸内視鏡検査により行っています。なお通常の内視鏡観察に加え、拡大内視鏡観察による病変部のpit patternの評価や、narrow band imagingによる画像強調観察を併用することを、大腸腫瘍の良?悪性の鑑別や深達度診断などに役立てています。また超音波内視鏡検査も、大腸腫瘍の深達度診断に活用しています。大腸病変の内視鏡治療としては、大腸腺腫や早期癌の内視鏡的摘除、大腸狭窄のバルーン拡張術やステント挿入、出血性病変の内視鏡的止血術などを行っています。

2.小腸内視鏡検査
小腸内視鏡検査は、近年のバルーン内視鏡やカプセル内視鏡の実用化により、小腸全域を内視鏡観察することが可能になり、以前は診断が難しかった小腸の出血性病変や炎症性病変も数多く発見しています。小腸内視鏡検査は小腸疾患の内視鏡治療にも活用しており、クローン病などの炎症性腸疾患に伴う小腸狭窄のバルーン拡張術、出血性病変の内視鏡的止血術などを行っています。

大腸腫瘍に対する内視鏡治療
大腸腫瘍(腺腫や早期癌)の内視鏡的摘除を、年間約2,000件実施しています。内視鏡的ポリペクトミーが多く、小型の病変の多くは高周波電流を用いないcold polypectomyで切除しています。また内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)も2008年から積極的に導入しており、現在まで400例以上の大腸腫瘍をESDで切除しています(図1)。大腸ESDを用いることで、5cmを越えるような大型の大腸腫瘍でも内視鏡的摘除が可能になり、外科手術の回避に役立てています。

図

図1 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@病院での大腸ESDの施行件数

主な研究業績
1. Watanabe T, Ajioka Y, Mitsuyama K, Watanabe K, Hanai H, Nakase H, Kunisaki R, Matsuda K, Iwakiri R, Hida N, Tanaka S, Takeuchi Y, Ohtsuka K, Murakami K,  Kobayashi K, Iwao Y, Nagahori M, Iizuka B, Hata K, Igarashi M, Hirata I, Kudo SE, Matsumoto T, Ueno F, Watanabe G, Ikegami M, Ito Y, Oba K, Inoue E, Tomotsugu N, Takebayashi T, Sugihara K, Suzuki Y, Watanabe M, Hibi T. Comparison of targeted vs random biopsies for surveillance of ulcerative colitis-associated colorectal cancer. Gastroenterology 2016;151:1122-1130.

2. Kobayashi K, Kawagishi K, Ooka S, Yokoyama K, Sada M, Koizumi W: Clinical usefulness of endoscopic ultrasonography for the evaluation of ulcerative colitis-associated tumors. World J Gastroenterol 2015;21:2693-2699.

3. Mukae M, Kobayashi K, Sada M, Yokoyama K, Koizumi W, Saegusa M: Diagnostic performance of EUS for evaluating the invasion depth of early colorectal cancers. Gastrointest Endosc 2015;81:682-690.

4. Kobayashi K, Hirai F, Naganuma M, Watanabe K, Ando T, Hiroshi H, Matsuoka K, Watanabe M: A randomised clinical trial of mesalazine suppository: the usefulness and problems of central review of evaluations of colonic mucosal findings. J Crohns & Colitis 2014;8:1444-1453.

5. Kobayashi K, Mukae M, Ogawa T, Yokoyama K, Sada M, Koizumi W: Clinical usefulness of single-balloon endoscopy in patients with previously incomplete colonoscopy. World J Gastrointest Endosc 2013;5:117-121

6. Yoshizawa S, Kobayashi K, Katsumata T, Saigenji K, Okayasu I: Clinical usefulness of EUS for active ulcerative colitis. Gastrointest Endosc 2007;65:253-260.

7. Kobayashi K, Katsumata T, Yoshizawa S, Sada M, Igarashi M, Saigenji K, Ohtani Y: Indication of endoscopic polypectomy for rectal carcinoid tumors and clinical usefulness of endoscopic ultrasonography. Dis Colon Rectum 2005;48:285-291.

8. Kobayashi K, Kida M, Katsumata T, Yoshizawa S, Yokoyama K, Sada M, Igarashi M, Saigenji K: Clinical role of endoscopic ultrasonography for the diagnosis of early colorectal cancer and selecting the treatment procedure. Dig Endosc 2003;15: 298-305.

お問い合わせ
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横断的医療領域開発部門 下部消化管内視鏡学

〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
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