めまいセンター
独自に研究開発した真の意味での先端?先進医療を実践しています
当めまいセンターは耳からくるめまい疾患の診療を行っております。めまい症状は内科的疾患、整形外科的疾患、精神科的疾患などでもみられる症状です。耳の奥には内耳という組織がありますが、その中でも前庭器と呼ばれる耳石器?半規管は平衡感覚を感じ、ヒトの平衡機能を保つのに非常に重要な役割を担っています。その大きさは数mmの小さな器官ですが、そこが病気になりますと激しいめまいを生じ、その役割は大変大きいのです。
また内耳には前庭器とは別に蝸牛という音を感じる器官が隣り合わせにありますので耳の聞こえの低下、耳閉塞感、耳鳴りなどの症状を伴ってめまいをおこす病気があります。その代表的な内耳性めまい疾患として有名なメニエール病では、初期には耳閉塞感、聴力低下、耳鳴などの蝸牛の症状のみで、その後めまいを発症することがほとんどです。メニエール病は難治性の疾患で早期の診断、治療が重要です。我々は、基礎医学的研究を行い、これまでの治療法とはまったく異なる概念に基づく新たな治療法を開発し、大変良い治療成績を得ております。この結果、全国各地?海外からも患者さんがご来院されています。
このように当めまいセンターでは独自に研究開発した真の意味での先端?先進医療を実践しております。
主な対象疾患
- メニエール病(聴力低下、耳閉塞感、耳鳴りなどの蝸牛症状の反復を含む)、蝸牛型メニエール病(低音部の聴力低下のみの反復)、前庭型メニエール病(めまいの反復)
- 良性発作性頭位めまい症
- 前庭神経炎
- ラムゼイ?ハント症候群に伴うめまい症
- その他、末梢前庭性(内耳性)めまい疾患
特徴?特色
現代のストレス社会を背景として、罹患率が増加を続ける疾患の一つとしてメニエール病が存在します。本疾患は以前厚労省が難治性疾患に指定しておりましたが、当科では水分摂取療法という新しい治療法を開発し、めまい症状はもとより聴力の改善にも効果を上げています。その結果、日本全国より患者紹介を受けております。
また、急速に進む高齢化社会は、めまい?平衡障害患者を増加させています。高齢者の平衡障害は内耳と小脳?脳幹を場とした加齢変化、退行変性に起因しています。そのため治療は困難でありましたが、唯一残された治療法として中枢代償を活性化させる平衡訓練(めまいのリハビリテーション)法を開発いたしました。また平衡訓練に体幹?下肢の筋力の増強を目的とした運動系のリハビリテーション(理学療法士の協力を得ています)を組み合わせることで、高齢者のめまい?平衡障害の治療に大きな効果を生んでいます。
これらの疾患以外にも前述のめまい関連疾患、特に末梢前庭性(内耳性)めまい疾患についても積極的に治療いたします。
診療実績(2018年度 病院年報から抜粋)
Ⅰ.末梢性
|
2016年度 |
2017年度 |
2018年度 |
メニエール病(疑いを含む) |
351 |
369 |
352 |
蝸牛型メニエール病(疑いを含む) |
68 |
63 |
49 |
良性発作性頭位めまい症 |
61 |
69 |
39 |
遅発性内リンパ水腫 |
14 |
15 |
15 |
前庭神経炎 |
2 |
5 |
6 |
ラムゼイ?ハント症候 |
2 |
2 |
4 |
めまいを伴う突発性難聴 |
0 |
0 |
4 |
前庭型メニエール病(疑いを含む) |
4 |
3 |
2 |
聴神経腫瘍 |
3 |
0 |
2 |
その他 |
5 |
5 |
4 |
合計 |
510 |
531 |
477 |
Ⅱ.中枢性
|
2016年度 |
2017年度 |
2018年度 |
椎骨脳底動脈循環不全症 |
10 |
11 |
6 |
小脳萎縮 |
0 |
0 |
3 |
脊髄小脳変性症 |
0 |
2 |
1 |
小脳橋角部腫瘍 |
0 |
0 |
1 |
中脳障害 |
0 |
0 |
1 |
脳梗塞 |
0 |
0 |
1 |
その他 |
6 |
0 |
2 |
合計 |
16 |
13 |
15 |
Ⅲ.全身性
|
2016年度 |
2017年度 |
2018年度 |
平衡障害 |
0 |
2 |
8 |
老人性平衡障害 |
14 |
5 |
4 |
心因性めまい |
13 |
7 |
3 |
起立性調整障害 |
3 |
4 |
2 |
良性発作性めまい症 |
5 |
2 |
1 |
前庭型片頭痛 |
0 |
2 |
1 |
その他 |
8 |
5 |
2 |
合計 |
43 |
27 |
21 |
Ⅳ.症状からの診断
|
2016年度 |
2017年度 |
2018年度 |
誘発性平衡覚障害 |
282 |
254 |
260 |
反復性聴覚平衡覚障害 |
63 |
40 |
73 |
反復性平衡覚障害 |
36 |
32 |
45 |
持続性平衡覚障害 |
18 |
6 |
4 |
単発性平衡覚障害 |
5 |
2 |
3 |
単発性聴覚平衡覚障害 |
3 |
0 |
1 |
合計 |
407 |
334 |
386 |
Ⅴ.診断未定
|
2016年度 |
2017年度 |
2018年度 |
合計 |
61 |
304 |
138 |
ご紹介時のお願い
初診患者さんの診療は月~土曜日午前に行ないます。
特にメニエール病、蝸牛型メニエール病では発症早期(耳閉塞感の反復のみの時期など)の適切な治療が長期的な聴力予後に大きく関係しますので、早急にご紹介頂きたく存じます。
また、当センターは内耳性めまい疾患を対象としておりますので中枢性障害や持病に因るめまいが疑われた場合には各該当科へのご紹介をお願い申し上げます。
ご受診を希望の方へ
当院は特定機能病院の承認医療機関です。受診には診療所?病院からの紹介による受診を原則としております。当院の受診を希望される場合は原則として、他の医療機関(かかりつけ医)からの紹介状が必要となります。
紹介状をお持ちでない初診の場合は、医療費とは別に初診時保険外併用療養費(自費)として7,700円(税込)をご負担いただきますのでご了承ください。
詳細につきましては「診療を受けられる皆様へ」をご覧ください。
また、当院を初めて受診する方は「初めて受診する方(初診の方)へ」をご参照ください。
他科に通院中で当科のご受診をご希望の方、お久しぶりの受診をご希望の方は「通院中?再診の方へ」をご参照ください。
外来担当表
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月曜日 |
火曜日 |
水曜日 |
木曜日 |
金曜日 |
土曜日 |
午前 |
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交代制 |
午後 |
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医師一覧
医師名 |
職位?役職 |
専門分野 |
認定?専門医 |
- 長沼 英明
|
教授 |
神経耳科学 |
- スウェーデンウプサラ大学Barany Society member
- 日本めまい平衡医学会専門会員 Active member
- 日本めまい平衡医学会代議員
- 日本めまい平衡医学会相談医
- 日本耳鼻咽喉科学会専門医
|
落合 敦 |
講師 |
神経耳科学 |
- 日本めまい平衡医学会相談医
- 日本耳鼻咽喉科学会専門医
|
中川 貴之 |
助教 |
神経耳科学 |
- 日本めまい平衡医学会相談医
- 日本耳鼻咽喉科学会専門医
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