小児外科とは

新生児から15歳までの子どもの病気に対して外科手術を行う診療科です。くび、むね(心臓は除く)、おなか、おしりまでの多くの部位を対象とし、消化器、呼吸器、泌尿生殖器、体表など多くの領域にまたがって幅広い疾患を対象としているのが特徴です。子どもは体格、生理機能も大人とは全く異なるため、各年齢の成長発達段階に配慮した治療が求められます。

当院の取り組み

 当院では、地域の小児外科としての役割を果たすべく救急疾患や日常的疾患の診療に積極的に取り組み、全ての小児外科疾患に対応します。また、内科系?外科系にとどまらず幅広い診療を提供できるよう周産母子成育医療センターが設置されています。
 私達が大切にしているのは、お子様の数十年先のQuality of Lifeを見据えた治療です。手術後もご家族や医療スタッフと協力しながらお子様のケアに携わっていきます。

① 日本小児外科学会指導医、日本小児外科学会認定小児外科専門医が診療に携わります
日本小児外科学会認定施設として日本小児外科学会指導医、日本小児外科学会認定小児外科専門医が診療します。お子さまとご両親にご納得いただける治療を行えるように、治療方針は十分に検討の上ご説明致します。お気軽にご相談下さい。

② 365日24時間対応します
小児外科疾患には急性腹症、外傷など救急疾患が多いことも特徴の一つです。当院では、365日24時間患者さんを受け入れ、夜間や休日でも手術可能な体制を整えています。

③ 各分野の専門医、様々な領域の医療スタッフと連携し、お子様のトータルケアに努めます

(1) 新生児集中治療室(NICU)
産科、小児科と連携し、母体?胎児管理から出産後の治療まで一貫して行っています。23床のNICU、10床のGCUを有し、新生児外科手術も多く(2019年21件、2020年24件、2021年21件)取り扱っています。出生前診断された疾患に対しては出生前から関与し、ご家族様が安心して出生できるように整えています。
(2) 小児集中治療室(PICU)
お子様の治療は、手術だけではなくその前後における治療も重要です。体の負担が大きい手術直後は、小児集中治療専門の医師やスタッフとともにきめ細やかな治療を行っています。
(3) 各領域のスペシャリストと連携したチーム医療
大学病院である強みを生かし、必要に応じて消化器内科、放射線科、耳鼻科、リハビリテーション部など、各領域のスペシャリストと連携したチーム医療を行っています。

④ お子様への負担が小さい治療
安全性?確実性を担保しつつ、内視鏡手術、臍切開による開腹手術など、整容面を重視した手術アプローチを選択しています。傷が小さいため将来目立たないというだけでなく、術直後の痛みが少なく、回復も速やかで、お子さまの心にも配慮した手術法です。

当院小児外科の整容面を重視した手術例
内視鏡手術 急性虫垂炎、胃食道逆流症、胃軸捻症、ヒルシュスプルング病、高位鎖肛、横隔膜ヘルニア、胆石症、脾腫、漏斗胸、気胸、膿胸など
臍切開による開腹手術 肥厚性幽門狭窄症、腸閉鎖症、腸回転異常症、メッケル憩室など

⑤ 手術以外の疾患も診療します
高度な便秘症、肛門周囲膿瘍など手術とならない疾患も診療します。

⑥ 成人になってからも成人診療科と連携しながら診療を継続します
手術を受けたお子様の長期経過は小児外科医が熟知しています。成人になっても小児外科医が中心となって診療しますが、成人特有の問題が生じることがあります。その場合は、大学病院の強みを生かし、成人診療科と密に連携をとりながら診療を継続します。