獣医学科

この大学に来てよかったと思える学生生活、研究生活でした。

自分の学生生活をざっと振り返ってみると、様々な思い出が蘇ってきます。

まず勉強面ですが、元々私は臨床志望でした。しかし学年を重ね様々な講義や実習を受けるにつれ、臨床以外のジャンルにも興味が湧いていくと同時に、獣医としてできることの幅の広さに驚いた記憶があります。その中でも特に細菌学や薬理学について関心があったことから、研究室選びでは臨床ではなく人獣共通感染症学研究室(通称人獣)を選択しました。

人獣では黄色ブドウ球菌についての研究を行っていましたが、その際器具や機械、細菌の扱い方や考え方、注意することなど、研究、検査するにあたり基礎となることを先生や先輩方からしっかりと教えていただきました。また学会や卒論の際でも、先生方に親身に対応していただき、とてもお世話になりました。私は元々地頭が良い方ではなかったので、当時の先生方の苦労を考えると今では頭が上がりません。

普段の生活では、友人らとしょっちゅうBBQをしたり、県内の観光名所を巡ったり、冬にはかまくらを作ったりゲレンデに通ったりなど、その土地ならではの遊びを尽くしたと思います。中でも温泉に関しては、お湯の質がとても良く尚且つとても低価格で利用できたことから、とても素晴らしい場所であったと思います。まだご利用になられていない方は、ぜひ近くの温泉へ立ち寄ってみてください。

現在ですが、私は独立行政法人家畜改良センター岡崎牧場に所属しています。岡崎牧場では、主に採卵用種鶏の改良や、全国の牧場や試験研究機関、大学に種鶏の配布等を行っています。その中でも私は、牧場の衛生?防疫対策に関する業務に携わっています。牧場内にウイルスなどの病原体が侵入し、飼養している種鶏に感染して蔓延するのを防ぐことが主な仕事であり、種鶏の体調観察や投薬、ワクチン接種、剖検や精密検査、車両や施設の消毒などを主な業務内容としています。仮に種鶏が病原体に感染してしまうと、改良に必要な正常データが得られないほか、感染に気付かず全国各所に配布してしまうと、配布種鶏が感染源となり、被害が拡大して大きな問題となってしまいます。そのような事態を防ぐためにも、日々目を凝らし、責任を感じながら業務にあたっています。そして日本の畜産業の振興に、微力ながら努めていきたいと思います。

改めて思い返すと、学生生活はとても有意義であったと感じます。十和田へ越してきて想像以上に田舎であったことへの衝撃や、寒いを通り越して痛みすら感じた冬の気候も、今となっては懐かしく思います。しかしそのような環境であったからこそ、その環境でしか味わえない楽しさがあり、また自分がやりたいことを見つける時間があったと思います。

皆様もぜひ、十和田でかけがえのない学生生活を過ごしてみてください。

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