生物環境科学科

卒業生はどのような仕事についているのか、また、母校をどう思っているのか気になりますね。今回は、2016年度卒業生で東京大学大学院 新領域創成科学研究科に在籍しながら、北海道立衛生研究所感染症部に勤める松山紘之さんに皆さんの疑問を尋ねてみました。

― 仕事の内容と魅力をお教えください。
組織としては公衆衛生の向上や維持に関わる様々な検査,研究,研修指導を担っています。その中で私の担当は,「衛生昆虫」になります。衛生昆虫とは直接的に人へ危害を与えたり,危害がなくても人へ不快感を与えたりする生物のことを指します。北海道内の保健所や駆除業者から依頼される衛生昆虫の種同定やマダニ媒介性感染症「ライム病」の診断に関わる検査を担当しています。また,衛生昆虫やマダニ媒介性感染症を対象に生態や病原体の動態を解明することを目的に研究をしています。このような検査や研究を通して,地域住民の安全な生活の維持に貢献できるやりがいを感じられる仕事です。

?― 大学時代にやっておいてよかったということは何ですか?
授業と卒論です。
生物環境科学科の授業は,卒業後に大いに役立ちました。当時は,生物に関心があったので,非生物に関する授業(農業土木など)にはあまり興味が持てませんでした。しかし,卒業後,研究を進める中で,どのような環境に生物が多く生息するのかを知る必要がありました。このような生物の分布を把握する上で,授業で習った非生物的な環境要因に関する知識や調査方法の重要性を認識しました。
卒論が人生の転換点でした。卒論の研究ではシカとカモシカに寄生するマダニ類を調べました。今思えばこのマダニのテーマを与えていただいたことが人生の転機といっても過言ではない出来事でした。卒業後,進学した大学院でもマダニの研究を継続し,おかげで将来の夢であった研究者になることができました。

― 大学時代にもっとやっておけば良かったと思うことは何ですか?
1.観光
自宅で過ごしていることが多かったので,もう少し北東北の色々な場所へ赴いてみたかったです(無理やり連れだしてくれた友人たちには感謝しています)。
2.部活
十和田で部活動に入っておけば良かったと思っています。獣医学部では他学科に知り合いすらできないまま,卒業してしまいました。仕事や学会で色々な分野の人と関わることが多いので,他学科に友人がいれば,相手のことをもっと理解できたり,円滑なコミュニケーションができたりしたかもと思っています。
3.資格
生物環境科学科では色々な資格が取得できたのですが,何も取得せずに卒業してしまいました。履歴書の資格欄が運転免許(AT限定)だけで寂しかったです。

― 博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@(または十和田)の魅力をお教えください。
生物環境科学科では,環境に関する幅広い知識を得ることができます。在学当時は,「生き物について勉強したかったのに,農業工学系の授業ばかりではないか!」と思っていました。しかし,裏を返せば土木も分かる生物の専門家になれる可能性があるということです。さらに,ほかの学科の先生の授業も受けられるので,土木以外の知識が身に付けられます。自分が興味を持てる分野を掘り下げつつ,裾野を広げることで,様々なチャンスに巡りあえるかもしれません。

― 大学生時代の特に印象に残っていることをお教えください。
実習や調査の手伝いで行った奥入瀬渓流や八甲田山が印象的でした。生まれも育ちも東京なので,初めて十和田の自然に触れたときは感動しました。他には友達と鍋パーティーをしたり,魚釣りに行ったりしたことがとても楽しかったです。

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