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臨床医科学群 循環器内科学
永田 貴子
自己紹介をお願いします
2009年に博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@医学部医学科に入学しました。大学在学中から、いつか研究をしてみたいという漠然とした思いがあり、卒業後は博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@病院で初期研修を開始しました。
2年間の初期研修で様々な科をローテーションし、2017年に循環器内科に入局しました。同年4月から関連病院で臨床研修を行ったのち、2019年に博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@大学院 医療系研究科 博士課程 (臨床医科学群 循環器内科学)に入学しました。現在は、同教室の虚血?動脈硬化班で臨床研究を行っています。
研究の概要について
循環器内科学は、虚血?動脈硬化班、心不全班、不整脈班の3つの班に分かれて研究を行っています。私は、狭くなった心臓の血管を拡げる心臓カテーテル治療に興味があり、虚血?動脈硬化班に入りました。虚血?動脈硬化班は、心臓の血管である冠動脈のカテーテル治療の際に用いられる、血管内イメージング(血管の内腔を観察する医療機器)の画像の解析を主に行っています。
毎年国内外の学会で研究の発表、論文作成を行っており、昨年11月にアメリカ合衆国 シカゴで開催されたAHA22 (Scientific Sessions of American Heart Association)では、Melvin Judkins Early Career Clinical Investigator Award Competitionのfinalistに選出され、現地で発表を行いWinnerになることができました。
研究の魅力について
1つのテーマに対してデータの収集、解析を行い、時間をかけて検討できるのは、研究の魅力だと思います。検討していく中で、想定していた結果に結びつかないこともありますが、新たな検討課題が見えてくることもあります。
また、研究をしていく中で過去の論文への理解がより深まります。循環器内科学では、毎週1人の大学院生が、ご指導頂いている先生方や別の研究班の大学院生の前で発表し、意見交換を行っています。自身が発表する時は、新たな視点を教えて頂ける場であり、聴講している際には、他の班の研究から新たな知識を得ることができ、とても勉強になっています。
研究内容と社会への貢献や関連性について
現在、血管内イメージングの画像を用いて冠動脈の石灰化 (血管にカルシウムが沈着)についての検討を行っています。冠動脈の石灰化は稀な病態ではなく、カテーテル治療を行う上で一定数に認められますが、石灰化で血管が固くなってしまい、狭いところがうまく拡がらず、治療後に血管が再度狭くなってしてしまうことがあります(再狭窄)。
これらの背景から、石灰化の種類や治療後の血管内腔の画像を解析し、石灰化病変に対する最適な治療について検討しています。
研究内容が今後のカテーテル治療において、再狭窄などの心血管イベントを減らすための一助になればと思っています。
研究における今後の課題と展望について
現在行っている冠動脈の石灰化の研究は、単施設(1つの施設)のデータをもとに行われており、日本人の患者様を対象とした研究となっています。
年齢や生活習慣、基礎疾患、人種の差などの背景因子によって結果に差が出る可能性があり、今後は、日本国内外の施設を含めたより多くの症例、多くの人種の方も対象とした研究を行うことができれば、一人一人の患者様、各症例に対してより適した治療の検討に繋がると考えています。
臨床現場では、治療のガイドラインを参考にして治療が行われることが多いのですが、そのガイドラインは過去の研究で得た結果をもとに作成されています。大学院で研究を行うことで、研究への理解とともに、臨床への理解も深めることができます。
また、循環器内科学ではQ3のように研究班を越えて意見交換を行っていますが、医療系研究科では、博士課程の4年生の夏にStudent research dayという博士課程4年目の全ての大学院生が自身の研究内容を発表し、専門の科を越えて先生方と研究に対して意見交換を行う機会があります。さらに、大学院在学中にはたくさんの講義の中から授業を選択することができ、普段は勉強する機会の少ない科目を学べたことも貴重な経験となりました。
大学院では、研究を通してたくさんの論文に触れ、また実際に研究を行うことで、日常臨床の中で興味や疑問に思っていることに対する理解を深めることができると思います。
また、国内外の学会で自分の研究を発表することにより、たくさんの先生方と意見交換をすることで、貴重な経験を得ることができます。私は臨床研究を行っていますが、当教室の不整脈班や他の研究室では基礎研究を行っており、研究の中でもいろいろな選択肢があります。
ぜひ医療系研究科で一緒に研究できればと思います。
2023年1月取材