大学院

私は獣医薬理学研究室に6年半(学部:2年半、大学院:4年)所属し、2021年3月に獣医学系研究科博士課程を修了しました。現在、新潟大学大学院医歯学総合研究科の助教として働いています。

学部4年次の研究室配属により獣医薬理学研究室に所属し、そこで初めて研究に触れました。あらかじめ答えがはっきりと分かっている実習とは異なり、答えが分かっていないものを自ら探し出すという研究を行うことに最初は戸惑い、失敗することも多々ありましたが、様々な試行錯誤の上で新たな知見を得ることの楽しさに気づき、大学院博士課程へ進学して研究を続けることを選択しました。

博士課程ではコラーゲンの分解産物が心疾患に及ぼす影響について研究を行っていました。心筋梗塞などの心疾患は我が国の主要な死因のひとつですが、心疾患に対する効果的な治療法や診断法は未だ確立されていません。獣医薬理学研究室ではこれまでに基底膜を構成するIV型コラーゲンの分解産物であるcanstatinという物質が、培養細胞を用いた実験により心臓構成細胞(心筋細胞や心線維芽細胞)に対して保護的に働くことを明らかにしていました。そこで私は心疾患モデル動物におけるcanstatinの投与効果や発現変化を調べることで、治療薬や診断バイオマーカーとして応用できないか検討しました。先生方や大学院生の先輩方に多くの助言をいただきながら、博士課程修了までの間にcanstatin投与が心疾患病態に対して保護的に働くことや心疾患モデル動物の組織?血漿中のcanstatin発現が変化することを初めて明らかにし、新たな治療薬?診断法開発への応用可能性を示しました。また、これら研究成果の学術論文への投稿や国内外の学会での発表を多く経験することができただけでなく、2021-2022年度 獣医学奨励賞を受賞することができました(写真)。

研究を進めていく中でなかなか研究成果がでない辛さも経験しましたが、進学を選択した際に抱いていた試行錯誤を繰り返しながら新たな知見を得ることの楽しさをより強く感じていました。そのため、博士課程修了後も研究を続けながら疾患の治療法?診断法の開発に貢献できるような仕事がしたいと思い、大学の助教の公募に応募しました。就職活動においても先生方や卒業された先輩方に助言をいただきながら、準備を進めることができました。就職活動の面接時にはこれまでの研究業績について良い評価をいただくことができました。また、学会発表を何度も経験できたおかげで研究内容に関するプレゼンテーションを自信を持って行うことができ、最終的に現在の仕事に就くことができました。

獣医薬理学研究室では先生や先輩方から助言をいただきながら、自分自身が主体となって考えながら研究を進めていくことができ、研究成果の学会発表や学術論文への投稿を多く経験することができました。このような大学院博士課程での経験は私の研究活動の基礎になっており、博士課程に進学して本当に良かったと思っています。

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