卒業研究を終えて―土壌から温暖化対策に挑む!!―【生物環境科学科】

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卒業論文を終えて―土壌から温暖化対策に挑む!!- 土壌環境学系 外山湧大

? 私は,「混入させたバイオ炭の粒径が砂?黒ボク土の理化学性に及ぼす影響」という研究テーマで卒業論文研究を行いました.バイオ炭とは,「燃焼しない水準に管理された酸素濃度の下,350℃超の温度でバイオマスを加熱して作られる固形物」と定義されている木や竹,もみ殻といった生物資源由来の炭化物です.バイオ炭は炭素(C)が分解されにくい性質を持っており,このバイオ炭を土壌中に貯留することが,近年話題の中心となっている「地球温暖化」の対策技術の一つになるとされています.私はこのバイオ炭を砂質土と黒ボク土に施用し,バイオ炭が温室効果ガスの発生要因となる土壌の物理性?化学性にどのような影響を与えるかについて研究しました.

研究を進めるにあたって大変だったことは,バイオ炭についての研究が現在発展途上な研究分野だということもあり,バイオ炭が土壌に対して効果的に機能するための条件設定を考えることや,本研究は室内での実験だったため,実験に使用する試料の下準備を含め実験の精度が求められることでした. 自分が予測していた結果と同じ結果が出た時や,今まで前例のない面白いデータが取れた時のうれしさ,達成感は人一倍感じることができた研究でした.

卒論研究は,ほぼ一年近くかけて研究を行っていくため,自ら進んで行動し,しっかり計画を立てて研究に取り組むことや,研究室の仲間と協力しながら行うことが重要です.研究は忙しく,実験や作業がたくさんあり大変ですが,卒論研究で身に付けた経験や自主性,計画性,協調性は社会に出てからも必ず役に立つと思います.

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写真1 バイオ炭の拡大写真(粒径1-0.85mm)

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写真2 実験で用いた砂質土の採取風景(水田下層)

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写真3 バイオ炭のふるい分け作業の様子