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RESEARCH

研究室紹介

免疫学

キーワード:#リンパ球 #細胞傷害 #細胞分化

リンパ球による免疫反応制御の仕組みを解明する
病原体の侵入やがんに対する免疫システムの制御機構についてはまだわからないことが多く残されています。
私たちの研究室では、がんや病原体に対する免疫反応の実体とそれがどのように制御されているのか研究を行っています。こうした研究を通じ、感染症、免疫性疾患、アレルギーやがんの問題に立ち向かっていきたいと考えています。

研究内容

CD8陽性細胞傷害性細胞の機能発現?動態における,転写因子 Eomesodermin (Eomes) の役割の解析

リンパ球による「細胞傷害機構」の解明を通して、免疫系操作法の開発を目指す

我々の体に備わる免疫系は、様々な微生物が存在する環境において、病原体の体内への侵入を防ぐ生体システムです。リンパ球は非常に巧妙な機構で「自分でない成分」としての病原体を感知し、色々な方法で病原体を排除しますが、ウイルスなど細胞内に寄生する微生物に対しては病原体が感染した自分の細胞ごと傷害することによって病原体の増殖を防ぎます。「細胞傷害」と呼ばれるこのやり方は、感染防御だけでなく、免疫反応を終息させたり、免疫系が自己を攻撃するのを防ぐのにも役に立っています。
我々は最近、「細胞傷害」に必要な分子を新たに同定し、現在その役割について解析しています。また、「細胞傷害」を行う細胞が抗原を記憶して再度同じ病原体の侵入に備えたり、逆にうまく機能できなくなったりする際に同じ分子が関わっていることに注目し、その分子の役割についても解析を行っています。

慢性腎臓病(CKD)における2型自然リンパ球(ILC2)の機能解析

自然リンパ球の活性を制御して、慢性炎症がもたらす臓器線維化のメカニズムを探る

自然免疫は、ほとんど全ての生物が持っている免疫機構であり、病原体に対して迅速に反応し撃退する役割があります。その中で、新しく同定された自然リンパ球は、抗原(異物や非自己分子など)を認識する機構を持たず、臓器ごとの組織環境に依存してその働きが制御されています。生体内の危機をいち早く察知して、炎症を起こすことで感染に対処する自然リンパ球ですが、過剰に反応しすぎてしまうと、逆に炎症を悪化させ、疾患を引き起こすこともあります。我々は、こうした自然リンパ球を適切に制御する機構を解析し、様々な炎症性疾患の予防や治療に繋がる分子機構の解析を行っています。

免疫応答を調節する機能を有する食品の探索およびらい菌の病原性にに関する研究

 免疫機能を調節する細菌、真菌および微細藻類などの天然素材の検索を行っています。免疫応答を正に制御する天然素材は、免疫機構維持食品として、免疫機能を負に制御する天然素材は、抗炎症作用食品として活用が期待されます。
ハンセン病は、らい菌 (Mycobacterium leprae) の感染により皮膚や末梢神経が侵される慢性の抗酸菌感染症である。らい菌の人工培養法が確立していないため、未だに感染様式等不明な点が多いため、らい菌が細胞へ侵入する機構について研究を行っています。