ロゴ
大学施設

RESEARCH

研究室紹介

量子物理学

キーワード:#素粒子?宇宙物理学 #ニュートリノ #数理物理学

素粒子?宇宙の謎を実験と理論から解明する

本講座では素粒子?宇宙物理学の実験的?観測的研究、粒子測定技術の開発及び医療物理学への応用、超弦理論に基づく時空構造の研究、可積分系?非可換ゲージ場の理論の研究などを行っています。

研究内容

素粒子?宇宙物理学実験研究

最先端テクノロジーによる素粒子?宇宙物理学実験

現在の宇宙の成り立ちは、その構成要素である素粒子の性質に依っています。つまり素粒子物理学と宇宙物理学は密接に関連しているのです。我々の研究グループでは、粒子加速器?原子炉?人工衛星など、あらゆる実験手段により素粒子と宇宙に関する研究を進めています。また、最先端テクノロジーの活用や開発も研究の一部であり、国際共同実験グループによる研究も頻繁に行います。

理論物理研究

物質と時空の成り立ちを探る−理論物理学

物質を構成する原子や分子はどのような「素粒子」から構成されるのでしょうか?そしてこのような微細な世界で、素粒子間にはどんな力がはたらくのでしょうか?また、そもそも物理現象が起きる舞台である「宇宙」とは、いったい何なのでしょうか?我々の研究目的は、このような究極の疑問について数学?物理学を通じて追究し、理解することです。

微弱な光を「光子」として検出する、光電子増倍管の量子効率評価システム

宇宙の成り立ちを説明する素粒子の対称性

 宇宙は素粒子で満ち溢れています。つまり、微細な素粒子の性質を理解することが宇宙の成り立ちを説明することに繋がります。キーワードは「対称性」です。素粒子が関わる自然現象が、どのように似通っているか、異なっているかが重要なのです。
  物理現象の理解において、全ての正解は「実験」によって確認されます。どれだけ美しい理論であっても、事実にそぐわなければ、それは「間違い」なのです。
 近年注目されているのは「標準理論」で説明できない「ニュートリノ」の性質です。しかし、その測定実験は極めて難しく「藁の山から針」どころか「広大な砂漠で塵」を探すことにたとえられます。微細な現象を精密に測定するためには、アイデアだけでなく高度な測定技術が必要です。そのため、進行中の実験プロジェクトを進めると同時に、新しいニュートリノの測定方法の開発にも取り組んでいます[川﨑健夫]。
 

超弦理論に特有の時空構造を探る

超弦理論は素粒子を弦の振動モードとして表し、全ての物質と相互作用を統一する整合的な量子重力理論と考えられています。超弦理論は時空の次元として10次元を予言します。現実の4次元宇宙を再現するためには、余分な6次元空間は観測にかからないほど小さくコンパクト化されていなければなりません。コンパクトな6次元空間に閉じた弦が巻き付くことで、理論には双対性と呼ばれる数学的な関係性が現れます。双対性は5つの整合的な超弦理論(タイプIIA, IIB, SO(32)ヘテロティック、E8×E8ヘテロティック、タイプI)を結びつけ、それらを統一した11次元のM理論を予言します。双対性は弦理論やM理論に特有の性質であり、弦や膜が伝播する時空に非自明な特性を与えることがあります。我々はアインシュタイン重力理論には現れない、弦理論に特有の「非幾何的空間」と呼ばれる時空の特性を理論的に研究しています。[佐々木伸]