三陸臨海教育研究センター
Sanriku Education and Research Center for Marine Biosciences

応用微生物学部門
Applied Microbiology Division

研究室について
微生物関連技術で三陸の産業が抱える諸問題にアプローチする。
いきなり問題です。「海における食物連鎖の中で、ツナ 100gを得るのに必要な植物プランクトンのおよその量は、どれくらいでしょうか?」??答えは、「10トン」です。植物プランクトンは、さらに 10倍量以上のバクテリアやカビなどの海洋微生物が有機物を分解することによって生じる栄養と太陽光を利用して増殖します。このように、微生物の活動は、海洋環境を安定に保ちつつ、多様な生き物に栄養供給する上で重要な働きをしています。私たちは、海の微生物が持っている多様な機能を利用するために、海洋微生物バンク(図A)を利用して、化石燃料に依存した産業から持続可能な産業への転換のために必要な技術の開発に取り組んでいます。例えば、ある種の植物プランクトンが生産する油脂を利用して水産増養殖用飼料を高機能化するための技術開発です(図B)。微生物利用は、近年不漁が社会問題化しているシロサケの回帰率向上につなげるべく、シロサケ感染症原因微生物(図C)やシロサケの腸内細菌の研究(図D)にも取り組んでいます。私たちは、震災復興道半ばの三陸に常駐して、水産の現場で起きている諸問題に科学的にアプローチして解決を図るべく努力しています。
A.海洋微生物バンク
A.海洋微生物バンク
B. 油脂生産微細藻類の培養と利用
B. 油脂生産微細藻類の培養と利用
C. シロサケ稚魚感染症原因菌
C. シロサケ稚魚感染症原因菌
D. シロサケ稚魚腸内細菌
D. シロサケ稚魚腸内細菌