スギ花粉症に対する舌下免疫療法

スギ花粉症、ダニ抗原アレルギーの方に朗報です!!
~スギ花粉抗原エキス?ダニ抗原エキス舌下免疫療法のお知らせです~

アレルギー性鼻炎あるいは花粉症は、自分とは異なるタンパク質(抗原といいます)が鼻の粘膜に接触し、その拒絶反応として現れる現象です。おもな症状はくしゃみ?鼻水?鼻づまりです。さらに、花粉症では結膜と接触して目のかゆみを訴えたり、咳さらには呼吸困難を起こすことがあります。
過敏反応なので、症状を我慢しているとアレルギー反応は強くなります。またまだ発症していない人も抗原を吸い続けることで急に発症することがあり、他人事と思わないほうが賢明です。
治療の中間報告(H27年度版)
治療の中間報告(2017年度版)
治療の中間報告(2018年度版)
治療の中間報告(2019年度版)

免疫療法

平成26年よりスギ抗原標準エキスによる舌下免疫療法を行っております。最低2年間の自宅投与という長期間の治療法でありますが、幸い重篤な副作用もなく、約60%の患者さんが本治療法に「満足」と回答しています。
花粉症は飛散が終わると一定期間症状もなくなることがありますが、一方で一年を通してアレルギー症状のある患者様は家や職場のなかに潜むダニ抗原(糞や死骸など)によるものが一番多いと言われます。この度、平成28年3月1日よりダニ抗原エキスによる免疫療法も始めることにしました。
ダニ見た目もグロテスク??

どのように治療するのでしょう?

抗原を吸い込まないことが大事ですが、症状によって抗アレルギー薬?ステロイド薬を内服したり局所に投与します。症状が強い場合は外科治療を行う場合があります。しかしながら、これらの治療は根本的な治療法とはなりません。
一方、抗原を少しずつ体内に投与して体質を変える減感作療法は、治る可能性のある唯一の方法といわれており、効果を上げてきました。抗原を皮下に注射する方法が古くから行われています。
今回、スギ花粉症に対して口腔内の舌の下に毎日投与する舌下免疫療法が保険適応となりました。当院耳鼻咽喉科では患者様に花粉症治療について正しいご理解のうえ、舌下免疫療法を開始します。
舌下(ベロの下)にスギ花粉エキスをたらします舌下(ベロの下)にスギ花粉エキスをたらします

体質改善が期待できます

本療法の免疫学的意義については未だ不明なところが多いのが事実です。しかしながら、抗原が既にできてしまった抗体に接着するのを防ぐ遮断抗体の作成や鼻などの粘膜の反応を抑制させることで、症状を抑えることができるといわれます。
症状の軽減には初年度も一定の効果がありますが、2年目以降から有効になるといわれます。またスギ抗原やダニ以外の抗原(ゴキブリ?ガなど)に対して新たな抗体を作り出すことを防ぐ効果もあるといわれます。
これまでのアレルギーの患者さんの長期観察で自然に治った人は若いときにこの減感作療法を受けた経験のある人だといわれています。
体質改善が期待できます続けることがだいじです

スギエキスを用いた舌下免疫療法とは?

対象となる患者さんは???

保険で実施される患者さんは、
□満12歳以上のスギ花粉抗原陽性の方
□2年間継続して治療される意思のある方
です。また、気管支喘息の既往のある方は安全性が確立されていませんので是非ご相談下さい。

1年のうち、治療開始できる時期は決まっています

注意することは、「スギ花粉が飛んでいないときに治療を開始する」ことです。例年、年明け早々にスギ花粉は観測されます。従って当院での患者さんに対する処方開始日は、
平成27年6月~12月9日とします。
(平成28年は、6月から処方開始となります)
  また原則として1年目は2週に1度外来に通院していただきます。

【参考】平成26年~27年のスギ花粉エキスの処方スケジュール

1.耳鼻咽喉科一般外来を受診します

治療を希望される患者さんは、はじめに午前の耳鼻咽喉科一般外来を受診します。耳鼻咽喉科診察と血液検査で現在の特異的血清IgE抗体(アレルゲンに対して反応する抗体です)を測定させていただくと同時に、呼吸機能検査(肺活量など)をうけます。つづいて、次回のアレルギー専門外来を予約します。
血液検査と呼吸機能検査をはじめに行います血液検査と呼吸機能検査をはじめに行います

2.アレルギー外来(火曜日、水曜日午後)を受診します

専門外来では実施手順の説明とご本人の希望を確認します。
最初の薬液滴下(青ボトル)は耳鼻咽喉科外来で医師の監督の下施行させていただきます。30分間観察ののち、1週間後の受診予約をします。(薬品代に約120円かかります)
第1回目の薬液(青ボトル)第1回目の薬液(青ボトル)投与(最初の1滴のみ)は、医師と一緒に行います

3.1週間後に再び受診します

使用状況を確認の上、青ボトルを回収し、1回目よりも高濃度の薬液(白ボトル)を処方します。下の写真のような白ボトルを薬局からお受けとりください。(薬品代に約300円かかります)
2回目の薬液(白ボトル)2回目の薬液(白ボトル)の投与については、医師がご説明します

4.さらに1週間後に再度受診します

使用状況を確認の上、3回目以降に投与する薬液を処方します。この薬は1日に1回だけ舌下に滴下します。以後は2週間に一度再診します。(薬品代に2週分で約420円かかります)
3回目以降の薬液3回目以降の薬液の投与についても、医師がご説明します

副作用等、注意していただくことについて

アナフィラキシー(急性な激しいアレルギー反応)が心配です??

本薬でアナフィラキシー症例はありません。主な副作用は口腔内の腫脹(はれること)です。3時間ほどたっても消えない場合は、耳鼻咽喉科外来にご連絡ください。

もし、副作用が現れたら???

皮下免疫療法にて呼吸困難などのアナフィラキシーをおこすことがあるので、厳しい基準が作られています。しかし、緊急な症状がでた場合は救急センターへ直ちにご連絡ください。その他、体調などに疑問を生じた場合も耳鼻咽喉科外来にご連絡ください。

その他

治療薬は「登録された医師」しか処方ができません。予約日以外の処方はできかねますのでご承知ください。

アレルゲン免疫療法を詳しく知りたい方はをご覧ください。

アレルゲン免疫療法

ダニエキスを用いた舌下免疫療法とは?

対象となる患者さんは???

保険で実施される患者さんは、
□満12歳以上のダニ抗原陽性の方
□最低2年間継続して治療される意思のある方
  です。重篤な気管支喘息の既往のある方は安全性が確立されていませんので是非ご相談下さい。また、すでにスギ花粉エキスによる舌下免疫療法を行っている患者さんは、同時併用の評価ができていないので対象外です。

定期的な通院が必要です

原則として1年目は2週に1度外来に通院していただきます。

1.耳鼻咽喉科一般外来(火曜日?水曜日の午前)を受診します。

治療を希望される患者さんは、はじめに午前の耳鼻咽喉科一般外来を受診します。耳鼻咽喉科診察と血液検査で現在の特異的血清IgE抗体(アレルゲンに対して反応する抗体です)を測定させていただくと同時に、呼吸機能検査(肺活量など)をうけます。つづいて、次回のアレルギー専門外来を予約します。
血液検査と呼吸機能検査をはじめに行います血液検査と呼吸機能検査をはじめに行います

2.アレルギー外来(火曜日、水曜日の午後)を受診します

専門外来では実施手順の説明とご本人の希望を確認します。
最初の舌下錠の服用は耳鼻咽喉科外来で医師の監督の下で施行します。30分間観察ののち1週間後に受診の予約をします。(薬品代に約150~250円かかります)
第1回目の舌下錠第1回目の舌下錠服用は、医師と一緒に行います

3.1週間後に再び受診します

使用状況を確認の上、高濃度薬を処方します。(薬品代に約430円かかります)
2回目以降の投与2回目以降の投与については、医師がご説明します

4.さらに1週間後に再度受診します

維持量薬の安全性を確認後、2週間分を処方します。(薬品代に2週分で約850円かかります)
3回目以降の投与3回目以降の投与についても、医師がご説明します

副作用等、注意していただくことについて

アナフィラキシー(急性な激しいアレルギー反応)が心配です??

本薬でアナフィラキシー症例はありません。主な副作用は口腔内の腫脹(はれること)です。3時間ほどたっても消えない場合は、耳鼻咽喉科外来にご連絡ください。

もし、副作用が現れたら???

皮下免疫療法にて呼吸困難などのアナフィラキシーをおこすことがあるので、厳しい基準が作られています。しかし、緊急な症状がでた場合は救急センターへ直ちにご連絡ください。その他、体調などに疑問を生じた場合も耳鼻咽喉科外来にご連絡ください。

その他

治療薬は「登録された医師」しか処方ができません。予約日以外の処方はできかねますのでご承知ください。
本薬液は処方された本人専用の薬剤です。決して、他人が使用してはいけません!どうかご注意ください。

アレルゲン免疫療法を詳しく知りたい方はをご覧ください。

アレルゲン免疫療法