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高齢急性心不全患者にも早期リハビリテーション介入は有効か?
―国内ビッグデータ解析からの最新知見―

 東京大学の小室一成教授、康永秀生教授、金子英弘特任講師、上野兼輔研究員、博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@の神谷健太郎教授らの研究グループは、4万人を超える日本の大規模なデータベースを解析することで、90歳以上の超高齢心不全患者において、早期リハビリテーション介入が院内死亡率の低下、ADLの改善、入院日数の短縮、再入院率の低下と関連することを明らかにしました。
 近年の高齢化に伴い、90歳以上の超高齢心不全患者の割合が増加しています。臨床現場では90歳以上の心不全患者が治療対象となることも稀ではありません。リハビリテーション介入は、慢性心不全患者の予後改善に有用であることが報告されていますが、急性心不全症例、とりわけ超高齢心不全患者における早期リハビリテーション介入の有用性は不明でした。
 本研究成果を通して、急性期からのリハビリテーションが超高齢心不全患者の治療の1つの選択肢になり得ることが明らかになりました。なお本研究は、博狗体育在线_狗博体育直播【官方授权网站】@4年度厚生労働行政推進調査事業費補助金?政策科学総合研究事業(政策科学推進研究事業)「診療現場の実態に即した医療ビッグデータ(NDB等)を利活用できる人材育成促進に資するための研究」(課題番号:21AA2007、研究代表者:康永秀生)の支援により行われ、2023年3月1日に米国老年医学会(AGS)の学会誌 Journal of the American Geriatrics Societyに掲載されました。

発表のポイント

◆90歳以上の超高齢心不全患者においても早期リハビリテーション介入が院内死亡率の低下やADLの改善、入院期間の短縮、再入院率の低下に関連する可能性を示しました。
◆今回の研究は、超高齢心不全患者に対する早期リハビリテーションの有用性を示した初めての大規模疫学研究です。
◆今後、多くの先進国で高齢心不全患者の急増が予想され、高齢の急性心不全症例に対する急性期リハビリテーションの有用性を示した本研究は、時代のニーズに合った研究であると考えられます。

論文情報

【掲載誌】Journal of the American Geriatrics Society(オンライン版:3月1日)
【論文名】Association of early acute-phase rehabilitation initiation on outcomes
among patients aged ≥90 years with acute heart failure
【著 者】Kensuke Ueno, MSc; Hidehiro Kaneko, MD; Kentaro Kamiya, PhD; Akira Okada, MD; Hidetaka Itoh, MD; Masaaki Konishi, MD; Tadafumi Sugimoto, MD; Yuta Suzuki, PhD; Satoshi Matsuoka, MD; Katsuhito Fujiu, MD; Nobuaki Michihata, MD; Taisuke Jo, MD; Norifumi Takeda, MD; Hiroyuki Morita, MD; Junya Ako, MD; Koichi Node, MD; Hideo Yasunaga, MD; and Issei Komuro, MD
【DOI】10.1111/jgs.18283

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